──そのあたりの美学はさすがですね。ほんの数年前は「大人の女性ダンサーとステージで共演させると、どうしてもメンバーがお子ちゃまに見えちゃう」と演出チームを困らせていましたが、今回は大人のダンサーにも負けていませんでしたよ。
彩夏 実際に同い年のダンサーさんもいたからね。そこは負けていられませんよ。こっちは露出ゼロの衣装だったけど(苦笑)。でも、あの日、11周年を迎えて、最高の形で12年目のスタートが切れました。作りこんだショーをあの狭い空間(キャパは約600人)でやることで、あんなに密度がすごいことになるんだってわかったし、今回は演出の方も、振り付けの方もいつものももクロのライブとは違う方にお願いしたので、すべてが新鮮でした。
──そして12年目に開催する最初の大きなイベントがあーりんのソロコンということになります。横浜アリーナという大きな会場ですが、チケットはソールドアウトとなりました。
彩夏 ありがたいことですよね。みんながね、かりそめの姿で、その日だけピンクのTシャツを着たり、ピンクのサイリウムを振ってくれるからこそです(笑)。
──でも、他のメンバーを推している人たちも「見たい!」と思ってくれるのは、なかなかすごいことだと思いますよ。
彩夏 そうですよね。みんな、きっと、ももクロのときとは違う姿を期待していると思うので「どんなあーりんが見たいのかな?」と想像しながら、ソロコンを作っていくんですけど、そうはいってもね、あくまでも「ももクロのあーりん」なので。ももクロのステージでは見られないあーりん、という部分に特化してしまうのは、ちょっと違うよねって思うんですよ。
──なるほど。そこは大事ですね。
彩夏 最終的にはとにかく「かわいい!」と言ってもらいたい(笑)。歌がうまい、とか、ダンスが上手、とかよりも「かわいい!」が一番! そういうライブを目指してます。
──ある意味、それがあーりんの追求するアイドル道みたいなものなんですかね?
彩夏 うーん……アイドルって難しいじゃないですか? だってね「ウチらなんかよりも、この子が大きなステージに立つべきだよ!」って思うぐらいかわいい子、歌がうまい子、ダンスが上手な子、本当にいっぱいいるの、アイドルの世界には。私なんて、本当にラッキーだったんですけど、そういう一発逆転もあり得る世界で、それだけ大きな夢もある。あのね、最近、気づいたことがあるのね。