──でもカメラマンさんに海外ラッパーのMVを見せてもらいつつ果敢に挑む上坂さん、素敵でしたよ。上坂 海外のラッパーの方々は指にたくさんの指輪をつけて、首にもジャラジャラとネックレスをして、歯にもキンキラキンの入れ歯のようなものを装着していらっしゃるのに、無表情ですよね。でも手はめちゃめちゃ動いていて。ラッパーの方の、あの動きってなんなんですかね? パッション?
──おそらくパッションです。何かを伝えたいという気持ちが、出ちゃってるのかな、と。上坂さんも歌っているとき、よく手が動いてますけど、あれもパッションですか?上坂 あれは、頑張りです。頑張りの象徴です。
──あくまで想像でしかないですけど、もしかしたらラッパーの方々も頑張りを表現しているかもしれないですよね。上坂 たしかに『フリースタイルダンジョン』を観ていると、みなさん地元を背負っていたり、家族の大切さとか、メイクマネーしたいとか、ものすごい主張をしていらっしゃるじゃないですか。よく考えたら、どれもすごく頑張らないと手に入らないものばかりですもんね。韻を踏むにもたくさんの言葉を知ってないといけないでしょうし。タトゥーを入れるのだって生涯をかけた覚悟が必要でしょうし。
──上坂さんの身近なところで言うと、ロリータファッションも頑張りの上に成り立っているスタイルですよね。上坂 確かに、ロリータはマインド的な頑張りが必要なファッションではありますね。ロリータを着て山手線に乗るのは恥である、ならばハイヤーを捕まえなさい、みたいな意識ですし。体力的にも夏でもコルセットを締めて、パニエを3枚履いたり、見えないところは汗だくでも顔にだけは汗かかないのがロリータの心得的な部分がありますからね。
──意外なところでラッパーとロリータの共通点が? ちなみに絶対に無いと思いますが、タトゥーを入れたいと思ったことは?上坂 ありませんねえ。気兼ねなく温泉に行きたい派なので……。