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UPDATE|2019/09/23

「笑顔と元気」2011年のモーニング娘。が見つけた自分たちの真価

モーニング娘。年代記 第15回



この春ツアーが何より衝撃だったのは、未熟で幼いはずの9期メンバーこそが強大な起爆剤となり、モーニング娘。のあり方を劇的に変えていたことだ。グループの結成をリアルタイムで知らない98年生まれ(鞘師、鈴木)も含んだ9人は、元気でフレッシュなパフォーマンスを全面に押し出し、結果としてテレビを通じて輝いた黄金期、そしてライブを通じて成熟したプラチナ期の「当たり前」さえ、あっという間に拭い去っていく。

「まぁ最初は9期が入ってうまく進まん、ってこともあったんですけど、始まってみたら9期が入ってよかった、って思うことが増えたんです」「モーニング娘。がもう大人でレベルの高いものをやってるっていうのはいいんですけど、暗いとかおとなしいって見えたらイヤだなぁ、って思ってたから。元気で新しい今の感じが日に日に楽しくなっていく」(田中れいな)(※2)

プラチナ期の終幕をきっかけに、自ら大胆なリスタートに踏み切った2011年春のモーニング娘。の姿。それは例え偶然の産物であったとしても、大きな喪失感に満ちたあの時代の気分には、エンターテインメントにしか創れない一筋の光として、どこかマッチしていたようにも思う。そしてこの新生モーニング娘。の誕生は、ファンだけでなく、やがてプロデューサーのつんく♂、また事務所スタッフにも大きな刺激を与えることになる。その結果、まだ震災後初ツアーの真っ只中だった2011年5月上旬のライブにおいて、グループはさらなる衝撃の発表を行うことになったのだ。

「モーニング娘。またまたオーディションやります!」「あなたもモーニング娘。になれるチャンス!今こそ日本を元気にしようじゃないか!」(※5)

(「月刊エンタメ」11月号掲載の後編に続く)



※1『MBSヤングタウン土曜日』(MBSラジオ/2011年3月19日)
※2「モーニング娘。ライブ写真集『新創世記ファンタジーDX~9期メンを迎えて~』」(東京ニュース通信社)
※3『GREE 道重さゆみオフィシャルブログ』 (2011年3月18日)
※4『GREE 道重さゆみオフィシャルブログ』 (2011年3月19日)
※5『Amebaつんく♂オフィシャルブログ「つん♂ブロ芸能コース」』(2011年5月8日)
AUTHOR

乗田 綾子


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