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UPDATE|2019/09/11

9・6 マツダスタジアム、Juice=Juice 段原瑠々の「国歌斉唱」を徹底解析する

Juice=Juiceオフィシャルブログ(9月6日のエントリーより)


一方で『君が代』は非常に歌うのが難しい曲としても知られている。メロディは雅楽をベースに作られており、スケール的にはDドリアンを使用。したがって短調でも長調でもない。しかしドイツ人のエッケルトは、そこにハ長調(Cメジャー)の伴奏をつけるというアレンジを強行した。そのため内省的でありながらも、緊張感を孕んだイメージを聴く者に植えつけていく。世界的に見ても特殊かつプログレッシブな『君が代』の世界観を独唱で表現するには、演者に相当な技量が求められるのである。

パーソナル パ・リーグTV内のサイトでは、セ・リーグではないものの、過去の国歌斉唱映像が視聴できるようになっている。これを見ると歌唱法は本当に千差万別で、ピッチやリズムの取り方をとっても個性が滲み出ることがよくわかる。果たして段原はどのようなアプローチで『君が代』に挑むのか、ハロプロファンのみならず、プロ野球ファンや国歌斉唱マニアからも注目を集めていた。

「ただいまより国歌斉唱を行います。本日、国歌斉唱を務めていただきますのは、広島県出身で、アイドルグループ・Juice=Juiceのメンバーとしてご活躍中の段原瑠々さんです。みなさん、どうぞご起立・ご脱帽のうえ、スコアボード上のセンターポールをご覧ください。それでは段原瑠々さん、よろしくお願いいたします」

午後5時53分、Juice=Juice前リーダー・宮崎由加のような声のウグイス嬢に導かれるようにして、段原はグランドに姿を現した。固い表情のままグランドに向かって深く一礼すると、意を決したように歌い始める。

まず最初の「きーみーがー」部分。正直、ここは明らかに緊張している様子だった。リズムも若干走り気味に感じる。段原は自分のことを極度のあがり症だと言うが、ステージでは内面の動揺を観客に悟らせないプロフェッショナル。段原をハロプロ研修生時代から観続けてきた私としても、この歌い出しは意外だった。逆に言うと、段原にとってマツダスタジアムがいかに特別な場なのか、この国歌斉唱にどれほど入れ込んでいるのか、それが明確に伝わってきた。
AUTHOR

小野田 衛


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