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UPDATE|2019/09/28

「つんく♂イズムはヤワじゃない」劔樹人が見る、変わり続けるハロー!プロジェクト

上段左からモーニング娘。'19、アンジュルム、Juice=Juice 下段左からこぶしファクトリー、つばきファクトリー、BEYOOOOONDS

ハロー!プロジェクトの総合プロデューサーであったつんく♂がその籍を離れて数年、今年6月にはつんく♂の教えを一身に受けた和田彩花もアンジュルムを去った。Juice=Juiceからも初代リーダー・宮崎由加が卒業し、アンジュルムから勝田里奈も旅立っていった……。変わり続けるハロー!プロジェクトの歴史の中でも、2019年は1つの節目として後々語られることだろう。そんな近年の動きを、識者はどう見ているのか? ハロー!プロジェクト、そしてハロプロファンを愛する劔樹人氏が語る。


──最近のハロプロについて感じていることはありますか?

劔 僕はアイドルが好きであると同時に、アイドルファンも好きなんですよ。つまりファンのオタクであると言えます。そういう角度からウォッチングしていると、一つの流れとして、最近のハロプロファンは保守化が目立つような気がするんですよね。

──保守化、ですか?

劔 それはもちろんファンの皆さんの政治的な思想のことではないです(笑)。 “つんく♂楽曲至上主義”が強くなっているように感じるんです。

──でも、つんく♂さん自身は保守的というより、相当アバンギャルドなクリエイターですよね?

劔 もちろんその通りです。ただ、大きなファンの動きだけに目を向けると、「やっぱりつんく♂の曲じゃないとダメだ」という声が強くなったと思います。

──なるほど。ハロプロ総合プロデューサーの座を降りて、ますます存在感が増しているということでしょうか。

劔 昔からハロプロを見てきた人は分かると思うんですけど、つんく♂さんの膨大な楽曲はいつもファンから手放しで支持されてきたわけじゃなかったと思うんです。今は再評価されていますが、プラチナ期のときは「辛気臭い曲だな」という声もあったわけですから。

──長い歴史の中で賛否両論あったことは間違いないでしょうね。

劔 そんなつんく♂さんですけど、総合プロデューサーという重責から解放されたためか、より自由に“攻め”の曲作りを強めているように感じるんです。たとえばモーニング娘。’19でいえば、最新シングルの『人生Blues』なんて相当難解なことをやっていると思います。今、日本の音楽シーンにおいて、オリコン1位を目指すとか、Mステで披露するとかいうところで、これを理解してもらおうとするのは難しいのでは無いかと思うくらい……。

AUTHOR

小野田 衛


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