高柳は、卒業を考えていることを度々におわせてきた。過去に本気で卒業しようと決意したことも隠していない。そのため、いつ卒業してもおかしくはないとファンの誰もが覚悟していた。
昨年秋に取材した際、「選抜総選挙で過去最高順位を取って、ナゴヤドームでのSKE48単独コンサートを実現させて、きれいに卒業したい」と話していた。これらを実現させることはできなかったが、それでも彼女の果たしてきた偉業が色あせることはない。
パンチライン製造機である高柳が発した言葉の中で、筆者がもっとも印象に残っているのは、「SKE人間」というものだ。すべてをSKE48中心に考え、SKE48のために行動する、SKE48原理主義とでもいうような意味だろう。だが、48グループとは、「夢を実現させるために、ここから羽ばたいていきなさい」というコンセプトで始まったグループでもある。年齢を重ねれば、自身の将来と向き合わなければならない。アイドルには卒業がつきものだ。高柳にもその瞬間が訪れたということだ。
卒業コンサートは、来年3月15日、横浜アリーナで開催される。「SKE人間」最後の日をそっと見守りたい。