──多様性が重んじられる時代ですしね。
でか美 そんなあやちょに対して、新しくハロプロのリーダーになったふくちゃん(譜久村聖)は伝統を重んじるタイプ。ハロプロの歴史を心から愛している。「ハロプロとは、こうあるべき」という思想が徹底して貫かれているんです。必要以上に波風を立てない調整型リーダーとも言えるでしょうね。私はこの「革新派のあやちょから伝統派のふくちゃん」という流れが、バランスが取れていて素晴らしいと思うんです。あやちょは自分考えをはっきり口にする人だから、誤解を生むことも多いんですよ。インタビューとかをきちんと読めば主張していることは伝わるんですけど、ネットニュースの見出しだけ読むような層には曲解されがちで。その点、ふくちゃんは慎重なタイプというか、波風立てないコメントがちゃんとできるリーダー。
──なるほど。確かにそこは大きな違いです。
でか美 ただし、ふくちゃんも単純に「あやちょと真逆の伝統派」というだけの人ではないです。今という時代を生きている1人の立派な女性ですから。しかもつんく♂さんの歌詞を歌い込んでいる時点で、女性観も大きな影響を受けているはず。つんく♂さんの歌詞に出てくる女性って、男にとって都合のいい女じゃなくて、自立して生きようと踏ん張る人間じゃないですか。私の中でハロプロの子たちってすごくしっかりしている印象があるんですけど、やっぱりそれはつんく♂さんや児玉雨子さんの歌詞を歌っていることが大きいと思うんです。
──ましてや譜久村さんは、つんく♂さんのことを超リスペクトしているでしょうしね。
でか美 さらに、ブログを読んでいて驚くのが、ふくちゃんってハロプロメンバー全員の誕生日を覚えているみたいなんです。普通できませんよ、そんなこと。60人近くメンバーがいる中で、それを把握するのがどれだけ大変なことか……。だからこそ、「新しいBEYOOOOONDSは、こんなグループです」「つばきファクトリーには、こんなメンバーがいます」みたいなことをつつがなく紹介できるんですよ。
──本人は「好きだから」って言いそうですけど、なかなかできることではないです。
でか美 それとハロプロOGの方が言うのは、「ふくちゃんはシングルが出るたびに連絡をくれる」ということ。それもすごく内容が細かくて、自分自身のコメントの他にMVのリンク先とかも貼ってあるらしいんです。「CDにサインを書いて、マネージャー経由で渡す」じゃ、ふくちゃん的にはダメらしいんですよ。ちゃんと自分からきちんと報告したい人なんです。