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UPDATE|2019/10/26

石破茂 元防衛相「日韓関係は修復不可能だと努力を放棄していいはずはない」【井上咲楽の政治家 直撃〜後編〜】

左から井上咲楽、石破茂 撮影/荻原大志



石破 政治家にとって、知らないことを知る、知ろうとし続ける姿勢はとても大切です。例えば、今、日本と韓国の関係がすごく悪くなっていますよね?

井上 そうですね。

石破 じゃあ、日本人は韓国のことをどれだけ知っているか。井上さんは、学校で習ったことあります?

井上 ないです。でも若い人はK-POPやドラマなどの文化的なところで親しみを持っていると思います。

石破 好きな人がいたら、相手のことを一生懸命知ろうとするじゃないですか。趣味は何だろう。どんな食べ物が好きだろう。どうやったら気に入ってくれるだろう。そうやって、うまくいくときもあれば、失敗するときもある。でも、相手のことを知れば距離が近づき、仲良くはなれるよね。これは国と国でも同じだと思うのね。我々の多くは政治家も含めて、韓国の歴史をほとんど勉強したことがない。いわゆる徴用工にしても、慰安婦にしても、竹島の問題にしても、韓国の人たちはなぜあれだけ感情的に怒りをぶつけてくるのか。その背景を知ろうとせずに、こちらも「お前の言うことは間違っている!」と言ってばかりでは、こじれるだけです。

井上 そうですね。

石破 韓国は過去の35年間、日本だったわけです。ある日、「今日からあなたの国はありません。あなたたちは日本人です。日本の言葉を話しなさい。日本の教育を学びなさい。日本の名前にしなさい」と言われたら、すばらしいことだと思えます?

井上 思えないですね。

石破 自分の国がなくなったことに対する思いはどれほどものなのか。そういう経緯を知ったうえで韓国と付き合うのと、知らないで付き合うのでは全然違うのではないかな? と思うわけです。こういうことを言うと、最近は非国民とか、韓国の回し者とか言われる。でもね、日本と韓国が仲悪くなって何かいいことがあります? 日本と韓国が敵対して誰か幸せになりますか?

井上 隣国ですもんね。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/荻原大志


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