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UPDATE|2019/11/17

「まるで夜逃げだった」小野寺五典 元防衛相に聞いた議員辞職の夜【井上咲楽の政治家 直撃】

左から小野寺五典、井上咲楽 撮影/松山勇樹 



小野寺 もちろん、なかったと言えば嘘になります。私の場合、3年間公民権が停止になりましたから、政治活動はできない。それどころか選挙があっても、家族には投票用紙が届くのに、私にはこないわけです。

井上 そうなんですか!?

小野寺 はい。公民権停止というのは、選挙権、被選挙権を通じて政治に参加する地位、資格がなくなるということですから。

井上 その状態を経験された上で出馬を決めるというのは、重みが違いますね……。

小野寺 何で衆議院選挙に出ようかと思ったかと言うと、「俺、このままで終わったら、たぶんお線香配って辞めた人というだけの政治家人生になるな」と。政治の世界に踏ん切りを付けるためにも、もう1回挑戦しようと思ったんですね。

井上 選挙区の方々の反応はどうでしたか?

小野寺 不思議な選挙でした。

井上 不思議?

小野寺 しらっとされるのかなと思いながら、「ご迷惑かけました、小野寺五典です」という第一声とともに選挙カーで走ると、田舎道におじさんやおばさんが走って出てくるんですよ。田舎の家は玄関先から道路まで距離がありますよね。そこを走って出てきて、車の方へ駆けつけて、「頑張れ、頑張れ」と。なかには転ばれてしまう方もいたんですが、立ち上がり、手を振ってくださる。そこは決して私が強い地域じゃなかったんですよね。だから、「これは何事だ?」と不思議に思っていたら、その地域が特別ではなく、ずっと応援ムードを感じながらの選挙戦になったんです。

井上 予想外の反応だったんですね。

小野寺 肌身に感じたのは「みんなも待っていてくれたのだ」という実感でした。「せっかく若い議員を出したのに、あんなことであっさり辞めて、苦労もしたのだろうな」と。本当に地元の人は優しいなと思いましたし、スパッと辞めたことを評価してくださっていたのかもしれません。選挙結果は驚くような得票数で、おそらく二度とあんなに感動する選挙を経験することはないと思います。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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