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UPDATE|2019/11/20

伝説の『11・20』から四半世紀、女子プロレスブーム到来の予兆とともに今こそ平成の対抗戦ブームを総括する

『憧夢超女大戦 25年目の真実』(彩図社)

1994年11月20日。現状、女子プロレス界にとって「最初で最後の東京ドーム大会」となる『憧夢超女大戦』が開催された。今年でちょうど25年。じつに四半世紀が経過したが、あの日のことはいまだに多くのプロレスファンが「いろんな意味ですごい興行だった」と語り草にしているほど。まさに「伝説の一夜」だったのである。



今年の10月、ブシロードが人気女子プロレス団体・スターダムを事業譲渡によりグループ傘下に入れたことを発表。ブシロードといえば、一時期、人気低迷に陥っていた新日本プロレスを東京ドームで2DAYS興行を開催できるまでにV字回復させた実績があり、すでに来年1月からTOKYO MXとBS日テレでスターダムのレギュラー番組をスタートさせることも公表されている。

ひょっとしたら、2020年に令和初の女子プロレスブームが巻き起こり、近い将来、あの東京ドーム大会が「最初で最後」ではなくなるかもしれない。アイドル的な人気を誇る女子プロレスラーを多数、抱えているスターダムだけに、一般メディアへの露出が増えれば、人気が爆発する可能性大。プロレス業界のみならず、アイドル業界にも、なんらかの影響を及ぼすことになるかもしれない。

そんなタイミングで四半世紀前の伝説を検証する本が出版される。タイトルはそのままズバリ『憧夢超女大戦 25年目の真実』(彩図社・刊、11月27日発売)。著者はももいろクローバーZの公式記者として知られ、当サイト「ENTAME next」でもHKT48のレポートなどを中心に精力的に執筆している小島和宏氏。すっかりアイドルの専門家のイメージがついてしまったが、もともとは『週刊プロレス』で女子プロレス担当記者を務め、東京ドーム開催時には北斗晶の番記者として最前線で取材をしていた。なぜ、25年目の今年、この本を出版することになったのか? 詳しく聞いてみた。

     *     *     *

──なぜ、今回『憧夢超女大戦』について書き下ろしたんですか?

小島 もともと僕が立案した企画ではないんですよ。今年のあたまから平成初期を回顧するプロレス本の話をいくつかいただいていて、まぁ、平成が終わる前に出版しましょう、という流れで、僕が11年前に出版した『ぼくの週プロ青春記』もそのタイミングで文庫されたりしているんですけど、その時期はいろいろアイドル関連の仕事が詰まっていたんですよね。ももクロが黒部市で『春の一大事』を開催したり、横浜スタジアムで指原莉乃の卒業コンサートがあったり。だから、すぐには書けませんよ、と返事をしたんですけど『じゃあ、おもいっきり時期をズラして、11月20日前後に出しませんか?』と編集サイドから提案されて、それならやりましょうか、と。

──いまでも女子プロレスとは関わりがあるんですか?

小島 そうですね。ももクロが大きなコンサートを開催するときに、開演前に隣接した会場でプロレスを無料で見られるようにしていた時期があって。そのときもブッキングのお手伝いをしたり、中野サンプラザでブル中野&神取忍がももクロとトークショーを開催したときには、メンバーに女子プロレスを教える役割で一緒にステージに立たせてもらいました。あと2年前に紫雷イオ(現・WWE)が写真集を出したときにも、いろいろと携わらせていただいたりして、いまでもなにげに後楽園ホールに足を運んでいますね。もっともアイドルのコンサートとスケジュールが被りまくるので、なかなか行けないんですけど。

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