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UPDATE|2024/05/31

理系コスプレイヤー・紬とろろ、心が苦しくなった高専時代「コスプレ投稿が学校内で大ごとに…」

撮影/たむらとも

あどけない顔立ちと、身長148センチの小柄なボディーを活かしたコスプレで唯一無二の存在感を放つコスプレイヤーの紬とろろ。アニメはもちろん、APEX、VALORANTを始めとしたFPSゲームもこよなく愛し、ゲーム界隈でも注目を集めている。自ら“理系コスプレイヤー”と名乗る彼女のベールに包まれたキャリアに迫る!

【写真】SNSでは水着の投稿も人気、紬とろろの撮り下ろしカット【14点】

アニメが好きになったのは父の影響だった。単身赴任で家を長く空けることの多かった父は、我が家に帰ると家族3人で大好きなアニメを観るのが好きだった。

「母は厳しいほうだったので、普段はアニメやゲームに熱中するのを許してくれなかったんですが、父がめちゃくちゃアニメオタクで、お正月でおうちに帰ってきたときに、『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビアニメを全巻借りてきて、家族全員で観たんです。それをきっかけに私もアニメが好きになって。

特に小学5年生のときに、同じように父に観せられたテレビアニメ版の『攻殻機動隊』はドハマりして、いまだに一番好きなアニメです。アニメを好きになっていく過程で『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』なども観てはいたんですが、どっぷりという感じではなくて。『攻殻機動隊』に並んで好きなアニメは小野不由美さん原作の『十二国記』で、今でも定期的に観ています。そういう趣味なので、アニメの話が合う友達は周りにいなかったです」

中学生になるとニコニコ動画にハマった。観ているだけでは飽き足らず、顔は出さずに「歌ってみた」などの配信も始めた。

「配信を始めると、そのコミュニティでお友達関係ができるので、すごく新鮮だったんです。ハマると、とことんというタイプなので、毎日夜は配信をやって。当時のニコニコ動画の生配信はコミュニティレベルみたいなのがあって、人が増えるとどんどんレベルが上がっていくんです。そうやって上を目指すのも楽しかったんですよね」

ニコニコ動画の沼にハマっている最中、高専(高等専門学校)に進学した。

「父と母がどちらも建築士だったので、家に理系の本などがあるのが当たり前の環境だったんです。だから当たり前のように数学が好きになりましたし、顕微鏡もあったので、生物にも興味を持つようになりました。そんな私を見て、親が高専の存在を教えてくれて、オープンキャンパスに行ったら面白そうだなと。その頃から理系一直線だったので、今も理系コスプレイヤーを名乗っているんです」

高専に進学するまで、将来の夢はアニメ声優だった。

「中高とアニメやゲームの声優になるのが夢でした。ただ母がリアリストだったので、『声優さんになるには倍率が高いし、たとえなれたとしても、大抵の人は40歳になっても六畳一間で生活しなきゃいけないんだよ』みたいなことを言われて(笑)。それで一旦、夢を諦めて、高専に進学しました。高専は授業が忙しいし、実験もあるしで、しばらくは配信から離れざるをえませんでした」
AUTHOR

猪口 貴裕


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