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UPDATE|2019/12/06

AKB48黄金世代と呼ばれて…山内鈴蘭、9期生を語る「痛いことを言ってくれたのも、救ってくれたのも同期だった」

山内鈴蘭 撮影/佐藤佑一


大場と鈴蘭もまたやや複雑だ。ともにSKE48へと移籍した9期生。そんな共通点があるなら、すぐにでも結託しそうなものだが、そうはならなかった。2014年2月の「大組閣」で2人ともSKE48へ完全移籍となったが、それ以前から大場はAKB48とSKE48と兼任しており、名古屋に馴染もうという努力をしていた。実際、大場はメンバーにもファンにも信頼を勝ち得て、中心メンバーへと成長した。一方の鈴蘭は、葛藤の日々を過ごしていた。

山内「移籍して1~2年は誰にも心を開けませんでした。人見知りをするタイプではないけど、一人でも平気なタイプだし、それがまたよくなかったのかな。SKE48の熱さにもついていけなかったので、そうなるとファンの人もついてくれない。握手会はゼロからのスタートでした。劇場公演に立つのも苦しかった。そのくせ自分がやりたいことはやりたい。ゴルフのお仕事があれば、それは優先したい――。葛藤でした。現実が悲しくて、受け入れたくなくて、何度実家に帰ったか、わかりません。私は、SKE48にとって必要のない人でした」

同期はそんな気持ちをお見通しだった。窮地の鈴蘭に救いの手を差し伸べたのは、大場だった。

山内「そんな時、美奈に言われた一言が大きかったんです。『SKE48で立ち位置を作るのは自分自身だよ。このままでいいの? ついておいで』って。正直にいえば、同期に言われたのが悔しかったです。同じスタートラインに立っていたはずなのに、知らないうちに差が開いてしまった。でも、私は個人の仕事があるからいいやとどこかで思っていました。本当は美奈みたいにSKE48のメンバーにも、ファンの方にも受け入れてほしかったはずなのに、うまくいかなかったので現実から逃げていたんです。美奈の一言は図星でした。どこかで誰かにずばっと言ってほしかったのかもしれません。それを言ってくれたのが同期でよかったし、私にとって救いになりました。美奈の舞台、もちろん観に行きました。美奈は『絶対観に来てほしかった!』と喜んでくれました。同期に認めてもらうって大事なことですよね」

鈴蘭は自分を変えようと努力した。グループに馴染もうとしたし、チームに何ができるかを考え、実践もした。自分ができることは後輩の指針になることだ。それが先輩としての役割だ。そう理解した鈴蘭は、公演終了後の反省会で率先して発言するようになり、チームへの熱い気持ちをブログにぶつけるようにもなった。すると、風向きが変わってきた。
AUTHOR

犬飼 華


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