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UPDATE|2019/12/10

アイドル10年目、山内鈴蘭のSKE48愛「若い子たちのまっすぐな涙を助けてあげたい」

山内鈴蘭 撮影/佐藤佑一


山内が果たしている役割は、縁の下の力持ち。自分が前に出なくてもいい。チーム力の向上を第一に考えている。悩んでいるメンバーの相談に乗るために、東京から名古屋へと新幹線で出向くこともあるという。そんな行動の裏には、自分を受け入れ、かつ変えてくれたグループに恩返しをしたいという思いが隠されている。

山内「今の自分があるのはAKB48のお陰でもあり、SKE48のお陰でもあります。これからの時間は恩返しのために使っていきたいです。SKE48は11周年を迎えました。これからもグループには存続してほしいから、SKE48のためにお仕事を持ってきたいと思うようになって。ゴルフ関連の番組だったら、私が広告塔になれるから。それくらい好きになっちゃったんですよ、SKE48のこと」

かつては宮澤佐江もそうだった。大場美奈もそう。他のグループからSKE48に移籍したメンバーは、同グループの魅力に触れ、心底好きになってしまう傾向がある。

山内「SKE48はやっぱり熱いグループ。火が出るんじゃないかっていうくらい、ステージ上は熱いんです。人間って熱さに動かされるんですよね。AKB48に熱がなかったわけじゃないんです。なんて伝えたらいいか難しいけど……SKE48にはSKE48にしかない種類の熱や魅力があって、それが人々を巻き込んでいくんです」

SKE48の劇場に集まるのは30代以上の男性ファンが多い。なぜか? 自分の推しメンが、あるいはSKE48が報われてほしいという「応援」の気持ちがあるからだ。この子たちの力だけでは足りない。だったら、微力でもいいから手助けしたい。そんな心理があるのではないか。

メンバーの中では年長の部類に入る山内も、ファンと似たような気持ちになることがある。

山内「若い子たちがまっすぐな涙を流すんですよ。しかも、私の目の前で。そんな姿を見てしまったら、もどかしくなるんです。なんでこんなに若い子たちが、こんなに悩まなければいけないのかって。がむしゃらに踊って、汗を流しているところもすぐそばで見ています。私だってこの子たちを助けてあげたくなりますもん。SKE48じゃなかったら、私は辞めていましたね。続けないと見えないものってあるんです。悔しいとかちょっと心が折れたとか、みんなには一時の感情で辞めてほしくないな。その先に見えるものを掴んでから卒業してほしい」

10年経って見えてきたものは、感謝の念だった。その気持ちを行動に移すことが、今の山内は楽しくて仕方ないのだ。
AUTHOR

犬飼 華


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