──自分が楽しいと思える評価と、お客さんの評価にはブレがないぞと自信を持っていいと。
原田 はい。あと『Sixteen』という曲を作って、「これがあれば自分はどんなステージでも挑戦できるな」って思ったんです。デビューの頃に比べると曲も増えてきて、自分がやってきた音楽が、曲という形としてあるから大丈夫だって自信がついてきましたね。
──くるり出演イベントのオープニングアクト、あいちトリエンナーレ2019など幅広いライブに参加してますよね。その中で印象的なライブは?
原田 今年のイナズマロックフェスに出演させてもらったんですけど、メインステージに向かう人たちが見て、いいなって思ったら入ってくるような路上ライブみたいなステージだったんですね。歌い始めたときはぜんぜんお客さんがいなかったんですけど、歌っていくうちに人が入ってきてくれて、 それがうれしくって! 今年中にロックフェスに出るのが夢だったのでその達成感もありましたね。
──ちなみに練習って普段どんな感じでしてるんですか?
原田 アイドル時代は毎日スタジオでレッスンがあったんですけど、今はワンマン前以外はスタジオに入らないので、その辺は全く変わりましたね。練習って感覚じゃないっていうか、家にいるときはずっとギターを弾いてるか、歌ってるか、曲作ってるか。何時間弾いてるかもう分かんないです。
──家でギターは肌身離さずって感じなんですね。
原田 アイドル時代は練習しないと周りに迷惑かけちゃうから、ってところもあったんですけど、今自分にとってギターや歌は生活の一部で、“ただ好きなこと”なんですよね。自分を追い詰めてる感覚はないです。だから曲は自然に出て来る反面、「次もいい曲を作らなきゃ!」って思うから、作ろうとしてもぜんぜん出てこない……みたいなことはあります。
──曲は書けるようになったけど、やはり生みの苦しみはありますね。
原田 自分が求める技術や歌、世界観はどんどんレベルアップしていってるので、それに実力が追いつかなきゃ! って気持ちはありますね。
──ちなみに原田さんが好きなシンガーソングライターって誰ですか?
原田 自分の世界観を持ってる人がすごく好きで、こんな人になりたいと思うのは星野源さん。あとカネコアヤノさんはずっと好きです。カネコアヤノさんは弾き語りでもロックバンドみたいな熱量があって確立してるところが憧れてます。自分も1人でいながらバンドみたいな空気を持ちたいし、最近は若い男の子が見てもいいなって思ってくれるライブができるようになりたいなと思ってます。
▽原田珠々華(はらだ・すずか)
2002年神奈川県生まれ。幼少期よりモデル・タレントとしての活動をスタートし、2016年中学2年生のときにアイドルグループ、アイドルネッサンスに加入。現在は、アイドルもシンガーソングライターも網羅する活動を目指して活動中。原田珠々華 定期公演「“Wake Up!”Vol.3」が12月29日(日)渋谷gee-geにて開催。
(取材・文/大坪ケムタ)