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UPDATE|2020/01/03

モーニング娘。ブーム再来の裏で、道重さゆみと田中れいな“正反対の2人”が見た同じ夢

モーニング娘。年代記 第18回



しかしそんなチグハグの2人は、モーニング娘。として様々な経験を重ねる中で、いつしかその胸に同じ夢を抱くようになっていく。「いつか6期メンバーで揃ってモーニング娘。のトップに立ち、グループを引っ張りたい」。

性格こそ違うものの、仕事を通じて次第に“最強のビジネスパートナー”と互いを認めあっていた道重と田中。2人は同じ夢を掲げていた同期・亀井絵里が志半ばで別の道を選んでもなお、諦めずに走り続けることを誓っていた。

そして「揃ってモーニング娘。のトップに立つ」、その夢がついに実現したのは、2人がグループへ加入してから9年が経過した2012年春のことだった。しかも道重が8代目リーダー、田中が楽曲のメインボーカルとしてグループを率いた新体制初のシングル『One・Two・Three』は、様々な巡り合わせの元に10年ぶりの初動売上10万枚越えという快挙まで達成することとなった。

しかしフィクションではなく、現実のモーニング娘。だった2人には、まだ話の続きがある。なんと2人の夢の始まりを掴んで間もなく、田中は2013年の春ツアーを最後に、モーニング娘。から卒業することを電撃発表したのだ。きっかけはまさにあの『One・Two・Three』を通じて、もう自分がやり残したことはないと強く感じたから。

「卒業はさゆの後かな、と漠然と思っていたし、事務所やつんく♂さんもそう考えていたみたいです。でもだんだんと“卒業”ということが大きくなって」(田中れいな)(※2)

こうしてずっと同じ夢を追いかけ続けた2人にも、ついに人生の岐路は訪れる。しかしこの別れこそが、同時にアイドルグループ・モーニング娘。にとっては、新たな展開を紡ぎ出す重要なプロローグにもなっていった。

「田中さんがいなくなってからダメになったって思われるのは絶対にイヤだった」(※3)

これは田中の卒業発表後にサブリーダーへの就任が発表されることになる、9期メンバー・譜久村聖のコメントである。

AUTHOR

乗田 綾子


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