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UPDATE|2019/12/31

2019年このアイドルグループのパフォーマンスが新しかった3選「演劇」「本気」「歩く芸術」

左からBEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」、吉本坂46「不能ではいられない」、ラストアイドル「大人サバイバー」

2019年は乃木坂46、欅坂46、日向坂46の3組が紅白歌合戦出場を決めるなど坂道グループの躍進が目覚しかったが、他とは違うパフォーマンスで話題を生んだアイドルも少なくなかった。今回は2019年にパフォーマンスが印象的だったBEYOOOOONDS、吉本坂46 RED、ラストアイドルの3グループについて取り上げたい。


■演劇を取り入れたBEYOOOOONDS
ハロー!プロジェクトから3年ぶりにメジャーデビューを果たしたBEYOOOOONDSは演劇を取り入れたパフォーマンスで注目を集めた。

デビュー曲「眼鏡の男の子」ではメンバーの前田こころが楽曲の設定のためにショートカットに切り、男装して演じた“眼鏡の男の子”とその“眼鏡の男の子”に恋する女子学生を他のメンバーが演じる。演劇を取り入れたことによる楽曲のストーリー性は初めて見る人にも伝わりやすく、何より芝居から始まるアイドルソングというインパクトが大きい。12人いるBEYOOOOONDSのメンバーも「眼鏡の男の子」の中でそれぞれ配役を与えることで、1人1人認識しやすくなっている。

先日発売したアルバム「BEYOOOOONDS 1st」では「眼鏡の男の子」の楽曲に登場する人物をそれぞれフューチャーしたサイドストーリー的な楽曲も多数収録されているため、一つの物語として完結しており、<演劇を取り入れたパフォーマンス>として新しいエンターテイメントの形を実現した。

BEYOOOOONDSの人数の多さが活きるのは演劇だけではない。12人のメンバーが3つのグループに分かれていることもグループの一つの特徴であり、可愛らしさが際立つ「CHIKA#TETSU」、女子の不安定な心情を体現する「雨ノ森川海」、ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディションでBEYOOOOONDSへの加入が決まった3人はそれぞれユニット別に楽曲があり、そのコンセプトの棲み分けも見事である。

同じハロプロ所属で有名なモーニング娘。’19が前衛的な楽曲で注目を集めるのに対し、BEYOOOOONDSの楽曲はどれも共通して親しみやすいものになっている。そのノリやすさが象徴するのは「みんな違ってみんないい」の精神だ。

「眼鏡の男の子」で様々な個性を持つ女子学生が登場したことで、言わばバラエティに富んだグループとして幅広い世代からの支持を集める可能性を提示したのである。ある意味、王道アイドルとしてもBEYOOOOONDSのパフォーマンス力は全体的に長けているのだ。

AUTHOR

momotoxic


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