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UPDATE|2020/01/19

与党を野放しにしないために…選挙で国民が担う “責任” を安住淳議員が語る【井上咲楽の政治家 直撃】

左から井上咲楽、安住淳 撮影/荻原大志



安住 人間は多種多様で、価値観もそれぞれです。当然、自民党の議員の間にもそれはあるんですよ。ただ、自民党には良くも悪くも権力の近くにいたいと思う人たちが集まっています。一方、野党には自民党に近い考え方で2大政党を作りたいと思っている人もいれば、最初から「自衛隊はダメ」、「天皇制は問題だ」という人もいます。つまり、リベラル派は裾野が広いんですよ。そもそも世の中を変えたいと思って与党から飛び出した人たちには、それぞれこだわりがありますから。これをまとめていくのは、大変なこと。ただ、「野党にいる=権力に媚びない」という共通点があります。私は、この姿勢があるだけで1つになれる可能性はあると思います。

井上 合流に関して、枝野幸男さんは「吸収する形なら」と仰っているじゃないですか。これについては、どう思われますか?

安住 立憲民主党は野党第一党です。例えば、社民党は衆議院議員が2人。国民民主党38人。野党第一党、背骨となるところがしっかりしていなければ、話がまとまりません。企業の合併もそうですが、母体となる会社が軸になって1つにまとまります。ましてや通常国会が1カ月後に始まるという状況です。時間がない中で、野党第一党が中心になるのは自然な話だと思っています。もちろん、その一方で、今までの経緯を思えば「数が違っても対等に話し合いたい」という考えがあるのも当然のこと。時間はありませんが、ここは話し合って着地点を探せばいいんです。

井上 私はれいわ新選組との関わり方がどうなっていくのかな? とも注目しています。参院選のときは立憲の候補の方が山本太郎さんと一緒に演説されていたじゃないですか。2つの党の関わりはどうなっていくんでしょう?

安住 権力に対峙していく姿勢に関して言えば、共通点は非常に多いですよね。まして彼は参院選の直前まで国民民主党にいたくらいですから。ただ、今、彼が注目されているのは脱永田町で、大衆の中に飛び込んで政策を訴えているから。その姿は新鮮に映ると思います。私も1人の政治家として好感を持っています。しかし、現実として考えなくてはならないのが、外に向かって運動することで安倍内閣や自民党を倒せるのかということ。外から「桜を見る会」の問題を追及できるのか。やはり国会の中で、自民党に対抗する数を持った勢力がきちっとチェックしなければ、さまざまな問題は暴けないし、権力と闘えないと思います。

井上 そうですね。

安住 問題提起して国民的議論を巻き起こすには、予算委員会をはじめとする委員会で政府と野党が激しく意見を戦わせてこそなんです。それをパスして、外で自分の言いたいことを言うだけでは、現実の物事は動きません。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/荻原大志


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