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UPDATE|2020/01/25

伊藤万理華、乃木坂46卒業後に感じた不安と楽しみ「自分で動かなきゃと実感した」

伊藤万理華 撮影/松山勇樹


──今回の展覧会は、写真、漫画、ショートムービー、ファッション×ダンスという4つのブースで構成されています。4種類のクリエイターさんに自分から声をかけたそうですね。

伊藤 はい。自分の考えを理解していただくまで、時間を割いていただきました。今回、すべての方に自分から連絡を取ったんです。事務所の方にお願いしたのではなく、「自分でやります」って。そうじゃないと、私が思っていることが伝わらないと思ったからです。マネージャーさんって、こういう作業をイチからやっているから、すごいなって思いました(笑)。例えば、漫画だったら、自分の考えを伝えて、プロの方にそれを漫画にしていただく。そうすると、ちゃんと自分の考えが伝わっていた。そのことに感動しました。プロの方ってすごいなって思いました(笑)。

──それができる環境にいるんですね。

伊藤 その状態に至るまでの1年半、すごく葛藤していました。でも、その時間が無駄じゃなかったと証明したかったです。

──葛藤というと?

伊藤 6年間在籍していた場所から一人になる時、展覧会を開かせていただいて、そこで完全燃焼したんです。それ以降もお仕事をいろいろとさせていただいてはいたんですけど、求められるものに追いつこうとチャレンジしたけど、どこで自分というものを昇華させればいいんだろうと思っていました。例えば、役者さんには役者さんなりの昇華のさせ方があると思います。でも、私は何かを演じるだけでは自分を昇華させきれませんでした。だったら、ジャンルを問わず自分で何かを表現することを続けたいと、1年半の間で思うようになったんです。自分に伝えられるものがあるなら伝えたいし、観た方に何かを感じてほしい。私だって、いろんな展示を観て胸を打たれたり、影響されたりもします。そんなものを表現できたらいいなと思っています。

──生きてきた中で、どういったものに影響を受けてきましたか?

伊藤 服飾の学校っていろいろあるけど、技術を学ぶだけではなく、自由な発想を優先させてくれる学校があるんですね。そこ出身のデザイナーさんたちがすごく好きで。服は絶対に布じゃないといけないということはないわけで。そういった自由な服を見ていると、自分も思いついたことがあれば挑戦していきたいなって思います。

──ファッションに限らず、可能性を広げることや既成概念にないものに惹かれるんですかね。

伊藤 はい。そうかもしれない。熱を注いで作られたものに惹かれるじゃないですか。自分もそういうことをやりたいなって。

──では、卒業後に出演した舞台って、自分的に惹かれた作品なんですね。

伊藤 昨年12月に出演させていただいた「今、出来る、精一杯。」は自分でも観に行ったことがある作品で、すごく好きでした。根本宗子さんの作品って、人間誰もが抱えている葛藤とか、世間で正しいと思われていることは本当に正しいのかとか、いろいろと考えさせる作品が多くて、その世界をもっと知りたいと思っていたんです。そんな矢先に出演が叶いました。舞台って、稽古場にこもって作業をするじゃないですか。今まではそれが苦手でしたけど、今回はずっと楽しかったです。展覧会の制作時期と重なっていたから死にそうだったんですけど(笑)、そういった世の中に対する疑問や自分の中の葛藤から作品って生まれるじゃないですか。そこに共感していました。そういうことを私も訴えていきたいし、これから表現していくことで観てもらいたいです。
AUTHOR

犬飼 華


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