伊藤万理華の展覧会「伊藤万理華EXHIBITION “HOMESICK”」が24日(金)から渋谷パルコ GALEERY Xにて開催されている。伊藤は乃木坂46在籍時の2017年にも初の展覧会「伊藤万理華の脳内博覧会」を開催し、東京・福岡・京都の全国3箇所で3万人以上を動員した。
前回の展覧会は自分にとって「卒業制作」であり、「完全燃焼した」と語る伊藤だが、再び展覧会をやろうと思った理由とは? 卒業から1年半の葛藤と2度目の展覧会への思いを聞いた。
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──まずは展覧会をやろうと思ったきっかけからお聞きしたいのですが。
伊藤 半年前に展覧会をやろうと思ったんですけど、今の自分が伝えられるものは何かと考えた時、乃木坂46を卒業してからの出来事を振り返ってみたんです。そこで思い浮かんだのは出会った方々や家族といった、人と人とのコミュニケーションだったなと思って。それをどうにかして形にできないかと思いました。「HOMESICK」というタイトルは寂しいイメージがあるけど、前向きな気持ちでつけました。内にこもって悶々としていた自分に嫌気がさしていた時に、自分が変われるのは人と何かを作ることだと思ったんです。昔、デザイナーをしていたお母さんにドレスを作ってもらったり、尊敬するクリエイターさんとご一緒したりして。この一年半で人間らしくなれた部分が表れたものになったと思います。
──アイドルを卒業すると、自分という存在を自分から発信しないといけませんよね。
伊藤 それも卒業後に感じました。待っているだけでは何も成長できないと思って。乃木坂46時代、私の最後の作品として「伊藤万理華の脳内博覧会」という展覧会を開いたんですけど、その時よりもさらに勇気を持って自分というものを提案しました。各クリエイターさんには、自分のパーソナルな部分を全部伝えてから作品にしていただいたので。
──それはかなり勇気が必要な作業ですね。
伊藤 前回の「脳内博覧会」は乃木坂46を卒業する自分の卒業制作のような意味がありました。自分の個性やアイドルの部分、その両方が見えるものにしたいと思っていました。でも、今回は歌に近いと思います。歌を作る時って、自分が考えていることを歌詞に表現するじゃないですか。私の場合、歌詞じゃなくて、写真や漫画、ファッションといった形で表現することしかできないんです。
──だけど、内側にあるものは同じっていう。
伊藤 そうですね。何かを表現したいという源は同じです。