──それでも辞めなかったのはどうしてですか?
村重 やっぱり、HKT48が好きだったから。HKT48って、本当に仲いいんですよ。ノリが女子校通り越して男子校みたいな。でも、活動していて、選抜に選ばれなかったり、コンサートでのポジションが後輩の後ろになるとか、音楽番組に出られないとか……現実を突きつけられるときってあるじゃないですか。キツイこともあるんですけど、それでもメンバーといると、シンプルに楽しくて辞められなかったですね。
──2016年、選抜総選挙では80位でした。
村重 ファンの方が自分以上に頑張ってくれました。だけど翌年、100位に落ちたんです。それでどうすることが正解なのか自分の中で分からなくなっちゃって、2018年の総選挙は立候補しませんでした。
──100位という数字がショックだった?
村重 う~ん、今思うとその時期も一番落ち込んでいたんですよね(笑)。当時、自分では頑張ってたつもりだったのに、何で選抜に入れないんだろう、ファンの方は離れていくばっかりだし……自分が本当にアイドルをしたいのかも分からなくなってきて。ひねくれて反抗的になっちゃって、SNSも更新しなくなっていって。その頃はさしさんにまで反抗していました。村重はイジられてなんぼのキャラなのに、さしさんがせっかくイジってくれても無視して「そういうの言わないでください」みたいな。しかもヤバいくらい太っちゃって。それでさしさんに痩せた方がいいって怒られたけど「別によくない?」って感じで(笑)。この世で一番ダルい態度だったと思う。今思うと本当に意識が足りなかった……。
──そんな暗黒期が(笑)。どうやって抜け出したんですか?
村重 その頃、もしかしてそろそろさしさんが卒業してしまうかもしれない、って思っていて。さしさんは村重がどんなにクソみたいな態度をとっても気を使ってくれて、それなのにこのままだと自分は本当にダメだって思って。吹っ切れキャラじゃないけど「もう何でもします!」って。さしさんが(チームHの)「RESET」公演に出ることになったとき(指原莉乃生誕祭)、「村重、出て」って言われて、本当は振りを覚えるの苦手なんですけど、頑張って覚えて出たんです。そしたらさしさんが「私が出る公演、毎回出てほしい」って言ってくれて。それで『ウッホウッホホ』のゴリラとかも出るたびに毎回アレンジしていって。そうしたらさしさんの中で「村重が変わったな」って思ってくれたのか、いろんなところで村重に話をふってくれたりして……。『意志』(指原莉乃が参加する最後のシングル)の選抜に選んでもらえたことも大きかったです。最後に、さしさんは村重をツインプラネットの事務所にまで繋いでくれて、もう本当に優しくて親みたいな存在です。
──そして今では、何にでも対応できる無双キャラになりました。
村重 1回暴走しちゃったら止まらない博多の暴走機関車ですね!
──辞めないでよかったです!
村重 本当によかったです。悩んでいた時期は、今思うと時間がもったいないって思うけど、あの時期があるから今があるし、もう戻りたくはないけど何か大変なことがあっても「あのときに比べたら今は恵まれてる」って思えます。あの頃はアンチの方が多くて。でも今は「HKT48に村重がいてよかった」って言ってくれるファンの方がたくさんいてめちゃくちゃうれしいです。