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UPDATE|2020/02/09

モーニング娘。の絶対的エース・鞘師里保が自分で選んだ未来「もっといろんな世界が見たい」

モーニング娘。年代記 第20回

アイドルは時代の鏡、その時代にもっとも愛されたものが頂点に立ち、頂点に立った者もまた、時代の大きなうねりに翻弄されながら物語を紡いでいく。モーニング娘。の歴史を日本の歴史と重ね合わせながら振り返る。『月刊エンタメ』の人気連載を出張公開。20回目は2015年のお話。


モーニング娘。というフィルター越しに時代を追っていると、同年代より少し早く社会に飛び出した彼女たちの感覚はそのまま、数年先の社会変化と不思議に一致していたことに気づく瞬間がある。

例えば東日本大震災で世の人生観が激変する直前、「自分を大事に生きたい」と卒業を決めた6期メンバー・亀井絵里の行動がそうであったし、2014年のグループ卒業後に約2年の活動休止期間を設けた6期メンバー・道重さゆみの選択も、それは「働き方改革」という言葉が出現する、ほんの少し前の出来事だった。

そして2015年10月29日。この日9期メンバー・鞘師里保がファンに伝えた決断も、今思えばごく自然に数年先の日本の未来と重なっていたように思う。

「皆様にお伝えしなければいけないことがあります。私、鞘師里保は、今年の12月31日をもってモーニング娘。を卒業します」(※1)

17歳7カ月での自立。それはこの国で18歳選挙権がついに実現し、そして18歳への成年年齢引き下げも検討され始めた、そんなタイミングで現実となっていた。

幼かったはずの鞘師里保は、いつから自立への階段を駆け上がっていたのだろうか。後に本人が発表した手記によると、12歳での加入からずっと「何に集中したらいいのか分からなかったけど、がむしゃら」(※2)だった日々に、少し余裕が出てきたのが、2014年の春頃だったという。彼女は同時期、ちょうど中学を卒業して高校生になっている。

「高校に入ってから自分の時間を持てるようになり、義務教育から離れてモーニング娘。中心に動けるようになったので、ネットでいろいろな動画を観たり、マドンナってこういうふうに踊るのかと真似してみようと思ったり」「2014年から自分のやりたいダンス、やりたいことを少しずつ出せるようになったなという感じがします」(鞘師里保)(※2)

そしてこのとき生まれていた小さな自我の芽は、2014年秋にグループのニューヨーク公演で訪れたアメリカで、彼女の心を大きく揺さぶることになる。

AUTHOR

乗田 綾子

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