FOLLOW US

UPDATE|2020/02/12

BiSから豆柴の大群まで、 7つのポイントで紐解くWACKというスタイリッシュさ

『水曜日のダウンタウン』で誕生した、豆柴の大群



(5)炎上と紙一重!? WACKバズらせ事件簿

BiS(1期)時代に比べれば、WACK以降はかなり落ち着いたと言われるジュンジュンの仕掛け。特にBiSHテレビ出演のタイミングで音源を安く販売したり、突然ワンマン開催の発表をしてSNSでバズらせる戦略や、当日発表でCDをリリースしたり、店舗イベントを開催したりといったゲリラ展開はズバリとハマっている。それとWACK事務所のある渋谷でのプロモーションも数多く行っており、フリーマガジン『謝罪本』の配布、GANG PARADEによる渋谷でメンバーを見つけたらチェキが撮れるイベント「CHEKi GANG IF YOU CAN??」、東急百貨店壁面にQRコード付広告を掲示したりと、渋谷=WACKのイメージがつくのも遠くないかもしれない。

(6)アイドル界にWACKが与えた影響の数々
WACK勢がすば抜けているのは「アイドルが格好いいと思うアイドル」であることだ。たとえばアプガ(2)・高萩千夏やAKB48・西川怜、私立恵比寿中学・安本彩花などなど、WACK好きを公言するアイドルは多い。そんなトップアイドルから、最近は秋葉原の地下アイドル会場に行っても、1日に数人は『プロミスザスター』などBiSHの曲をカバーしているアイドルに出会う事が出来るほど、その影響力は高い。また何よりBiS(1期)の登場は全国のバンドマンに「俺もアイドルプロデュース出来るかも?」と思わせ、実際にアイドルを作らせた。渡辺淳之介がいなければ現在のアイドルシーンはもっとキラキラ感が強かったかも?

(7)結局みんな好きになっちゃう“渡辺淳之介”という才能
アイドルのプロデューサーが表に出すぎると、ファンからは嫌われたりするもの。WACK代表であり各グループのプロデューサーの“ジュンジュン”こと渡辺淳之介もまた何かと嫌われたり、叩かれたりと多い人物ではある。

しかしWACKの若いファンにとって、そのチャーミングな不良っぷりは新鮮で「やっぱジュンジュンだな~」と言わせてしまう魅力がある。それを感じるのは、炎上そのものよりリカバーを見たときだったりする。TIFの出演中止の直後に「リストバンドを持ってくれば無料」のワンマンを開催したりして、ファンを喜ばせるところに彼の「さすが」がある。

また、従来のアイドルファンからすると反発を感じてしまうだろうが、WACKのファンはよく「ファンであることが恥ずかしくない」と言う。自らアパレルブランドNEGLECT ADULT PATiENTSを立ち上げたりもしているジュンジュン、ビジュアルに音楽共に「入りやすい、入ってみたい」と思うセンスも絶妙。そうでないと新しいファンの心を掴む事は出来ない。

ただ、そういうと計算高いビジネスマンのようだが、創るものに自分の好きな音楽やブランドのテイストを入れてみたり、そこかしこに愛情が垣間見える。ただ、そんな部分もシモネタで覆い隠してしまうのが彼だ。

2000年代、2010年代と秋元康が時代を作ったように、2020年代、渡辺淳之介が時代を作る――そんな風に語られるようになるのか否か?

(文/大坪ケムタ)
CREDIT

文/大坪ケムタ


RECOMMENDED おすすめの記事

RELATED 関連する記事