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UPDATE|2020/03/22

“厳しさの中で美しく咲いたアイドル” こぶしファクトリーが辿った5年間の数奇な運命

こぶしファクトリー

2015年に結成され、幾度とない危機を乗り越えながらも活動を続けてきたこぶしファクトリー。ラストシングルのリリースイベントも昨今のイベント自粛の流れの中で中止となるなど、不可抗力とはいえ最後まで大きな壁と対峙しながら、それでもなお前を向くことをあきらめないアイドルだ。「3月30日をもっての解散」を発表している彼女たちが歩んできた、決して平坦ではなかった5年間を振り返る。


今でこそ当たり前に受け止められているが、ハロプロ研修生から生まれる新ユニットの名前が「こぶしファクトリー」だと発表された際は「こぶし? こぶしって……」とあまりのインパクトに困惑の声も上がった。だが、こうした世間の声をメンバーは力づくで黙らせる。2015年3月にインディーズから『念には念/サバイバー』を発表すると、9月には早くもメジャーデビュー盤となる『ドスコイ!ケンキョにダイタン/ラーメン大好き小泉さんの唄/念には念(念入りVer.)』をドロップ。瞬く間にシーンのど真ん中に躍り出た。

完全実力主義のハロプロ所属だけあって、新人離れしたこぶしファクトリーのライブは当初から評価が高かった。ドスの効いたボーカル、コミカルな振付、生き急ぐように前のめりなアティテュードが混然一体となったステージングはオリジナリティも抜群。ハロコンはもちろんのこと、TIFをはじめとしたアイドルフェスや対バン系イベントにも積極的に参加し、各方面に爪痕を残していく。15年9月からはグループ初の単独ライブツアーを10都市17公演で開催。威風堂々とした歌とダンスで全国に熱狂の渦を巻き起こす。さらには年末に日本レコード大賞で最優秀新人賞をも受賞した。

翌16年になってもグループの勢いは加速するばかりだった。2月にリリースされた2ndシングル『桜ナイトフィーバー/チョット愚直に!猪突猛進/押忍!こぶし魂』はオリコンウイークリーチャートで1位を獲得。春と秋には大々的なツアーを行い、11月には名盤の誉れ高い1stアルバム『辛夷其ノ壱』をリリースする。17年に入ると、主演映画『JKニンジャガールズ』が公開されることも発表。メンバー8人は完全にわが世の春を謳歌していた。

だが、好事魔多しとはよく言ったもの。この頃から少しずつグループの雲行きが怪しくなっていく。

メンバーの急な離脱が続き、もうここまでか……。誰もがそう考えたに違いない。このグループ最大の危機に対して井上玲音は「当時はスケジュールがすごくタイトで、考え込む暇もなかった。それが結果的にはよかったと思う」と述懐。一方、リーダーの広瀬彩海は「こぶしのわちゃわちゃ感や個性バラバラなところは辞めた3人のキャラによるところが大きかった。それゆえ残された5人としては、新しいカラーを早急に作る必要に迫られた」と冷静に戦力分析していた。

CREDIT

文/小野田衛


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