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UPDATE|2020/03/22

“厳しさの中で美しく咲いたアイドル” こぶしファクトリーが辿った5年間の数奇な運命

こぶしファクトリー



果たして新体制となった最初のシングル『これからだ!/明日テンキになあれ』は宣戦布告ともとれる決意表明ナンバーに。特に『これからだ!』の《後悔乗り越えて ゼロからだ!》《何度でも これからだ!》という厳しい現状を受け止めながらも突破していこうとするメッセージ性は出色であり、ピンチをチャンスに無理矢理にでも変えていこうとする5人の覚悟にファンは惜しみない拍手を送った。

それと同時に広瀬言うところの“新しいカラー”としてアカペラにもメンバーは挑戦。リードボーカルとしてメンバーを牽引する浜浦彩乃やクールにラップをキメる和田桜子など、さらに進化した表現をアピールした。この高レベルなアカペラは動画でも拡散されることになり、ハロプロメンバーの歌唱スキルが高いことの例としてしばしば取り上げられるようになる。この頃になると野村みな美のボーカル力も目覚ましい急伸ぶりを見せており、いよいよ死角のない戦闘集団として完成の域に達しつつあった。

しかし皮肉なもので、5人が目指した到達点はグループの終着点でもあったようだ。慎重に話し合いを進めたメンバーは、最終的に解散という道を決断。20年3月30日の公演をもって、自らその活動に幕を下ろすことになった。解散後、5人はそれぞれの道に進むことを発表済み。広瀬は音楽大学に進みながらの芸能活動を模索。野村、浜浦も個人で芸能活動を展開していく予定だという。また、井上はハロー!プロジェクトのメンバーとして活動を継続。和田は芸能活動を終了させる。

これまで様々な景色を私たちに見せてくれたこぶしファクトリー。先輩たちから可愛がられ、同業アイドルからリスペクトされ、なにより「こぶし組」と呼ばれるファンから愛され続けてきた。ハロコンで彼女たちの姿を見ることがなくなっても、楽曲が放つ唯一無二の輝きは決して消えることがないだろう。

辛夷の花のように優美でありながら、辛夷という名前の由来でもある握りこぶしに象徴される「力強さ」を兼ね備えたグループ──。コンセプト通りの生き様を体現したメンバーは、5年以上に渡る全力疾走を終え、新たな伝説となっていく。

(文/小野田衛)
CREDIT

文/小野田衛

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