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UPDATE|2020/04/02

処女エッセイが話題のAV女優・戸田真琴が語るトラウマ「絶望しないことが希望なんです」

戸田真琴(撮影:松山勇樹)

昨年12月に処女エッセイ『あなたの孤独は美しい』(竹書房)を上梓し、本格的に執筆活動を始めたAV女優の戸田真琴。3月23日(月)には早くも2冊目の著書『人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても』(KADOKAWA)を発売した。

<人生において大切なたったひとつのことは、「あなたの孤独は美しい」という事実>と綴り、世間から浮いてしまった時、無理やり集団に混ざろうとするのではなく、孤独を肯定して自分自身を失わずに生きていってほしいと語る彼女のインタビューを3回連載でお送りする。1回目はAVデビュー前の話。

処女作『あなたの孤独は美しい』の第一章では、“戸田真琴未満”の彼女の生い立ちが綴られる。19歳の時にAVデビュー作で処女を喪失するに至った理由も、もちろんその生い立ちとは切り離しては語れない。普通でないことを恐れず、自分の道を自分の歩幅で歩み続ける彼女が語る、過去のトラウマと向き合う方法と、マイノリティへのメッセージ……。

【写真】笑顔で取材に答える戸田真琴ほか、撮り下ろしカット【12点】

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──処女エッセイ『あなたの孤独は美しい』第一章では「小学生時代〜劣等感のかたまり〜」や「中学生時代〜思春期の地獄〜」など、戸田さんの生い立ちが綴られています。

戸田 私は生い立ちって人に話すものではないかなと思っているんですが、世の中に何かを伝えたいと思う時、どういう人が書いているかが分かった方が伝わりやすい、というか聞き入れるかどうかの判断材料になると思ったんです。だから一章でAV女優になるまでを書きました。

──母親が新興宗教の熱心な信者だった話や、その母の影響で処女童貞信仰を持っていたため、男性に告白されても恋愛に発展することはなかった話、そしていじめの話。かなりヘビーなエピソードも出てきますが、そのどれもが客観的に自分の中で消化されていて、トラウマにはなっていないと感じたのですが。

戸田 結局、トラウマって、それを植え付けた人の気持ちを理解できなかったり、分析しきれてなかったりするから、残っていくものだと思うんです。自分が理解できないもの、分からないものって怖いじゃないですか。超常現象にしても、幽霊にしても、何となく怖いから発狂しちゃう、みたいな。なので、「おや?」と思ったことは、どういう原理でそうなったのかを考えます。ものすごく嫌なことを言う人に対しては、何でそんなことを言うのか、その人の生きてきた環境や時代も含めて考えるようにするんです。
AUTHOR

猪口 貴裕


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