いつのまにかメンバーのソロ表紙も一巡し、昨年6月には二巡目に突入(佐々木彩夏のソロコンに合わせて発売され、会場限定で別バージョンの表紙を物販したところ、一瞬で売り切れてしまった!)。編集長の中には「2020年6月発売号は、25歳になったばかりの玉井さんで」という構想があったようだ(前回のソロ表紙は20歳のときだった)。
昨年末にも、ももクロに表紙を飾ってもらったばかりだったので、その構想も現実のものになるとばかり思っていたのだが、2月のある日、突然「休刊することになりました」という連絡が編集長から入った。
ももクロのライブ会場での物販で、いつも僕の著書を上回るペースで『OVERTURE』が飛ぶように売れていく様子を見ていたので、休刊なんて予想だにしていなかった。堅調に売れていても、いろいろと大変なんだなぁ、このご時世。
そして、編集長の言葉は続いた。
「じつは最終号でももクロのページを組むことになったので、スケジュールが合えば、取材をお願いします」
前号で表紙を飾ったのに、続けて特集記事が組まれるのは異例のこと。
聞けば編集長が「休刊することになりました」という挨拶の電話を川上アキラに入れたら「じゃあ、ウチも出ますよ! モノクロページでもなんでもいいですから!」と逆オファーを受けたのだという。
その申し入れをありがたく受けた編集長は、最終号のラストページと裏表紙をももクロのために割いた。『OVERTURE』のラストをももクロが飾ってくれる……ひとつの雑誌の歴史を彩る「大河ドラマ」があの裏表紙には隠されていたのだ!
ももクロの『OVERTURE』最後の撮影日がやってきた。