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UPDATE|2020/04/03

ももクロメンバーが『OVERTURE』休刊号の撮影で語った“約束”

『OVERTURE』022号 ももいろクローバーZの裏表紙

2014年10月に創刊したアイドル×ファッションカルチャーマガジン『OVERTURE』が3月26日発売の022号で休刊になった。休刊号の裏表紙には、ももいろクローバーZが4人で登場してくれている。

これは編集部がももクロの運営に休刊の挨拶の連絡を入れたところ、マネージャーの川上アキラ氏から「じゃあ、ウチも出ますよ! モノクロページでもなんでもいいですから!」と有り難い申し出をいただき実現した企画だった。

創刊からこれまでの、ももクロと『OVERTURE』の歴史を、常に至近距離で見続けた、元週刊プロレス記者でももクロ公式記者の小島和宏氏に特別寄稿してもらった。

【写真】ももクロ4人の撮り下ろしカット

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ご存知の方も多いと思うが『OVERTURE』は3月26日発売のNo.022をもって休刊ということになった。

思い起こせば約6年前「新しい形のアイドル雑誌を創刊します。ついてはももクロさんにどうしても登場していただきたいんですよ!」という相談を中山編集長から受けた。

いまでもそうだが、ももクロはあまり雑誌という媒体へは積極的に登場するグループではない。活字にこだわりがあるからこそ、精査して話を受ける、といった印象だった。そこにいきなり創刊号(つまり、どんな媒体なのかのサンプルがまったくない)に登場してください、というのはなかなかハードルの高いミッションだった。

ただ、中山編集長はもともとモノノフ、である(僕も一緒に2011年の『極楽門からこんにちは』に参戦している)。編集長の熱い想いは痛いほど伝わってきたし、もう、その熱量をすべてぶちまけた企画書を作って渡すしかない、という結論に達した。

しかし、残念ながら、ももクロサイドからはまったく返答がなかった。

普通だったら、ここで諦めてしまうのだが、編集長は創刊1周年を迎えるタイミングでもう一度、動いた。1周年記念号の表紙を玉井詩織さんにお願いしたい、と。

この1年間の実績が利いたのか、今度は実際にももクロの運営チームと交渉のテーブルにつくことができた。しかし、マネージャーの川上アキラは「こんなおしゃれな本にウチは載せられないでしょ?」と拒絶モード。創刊号のときに熱い企画書を送った、という話にも「いや、見てないですよ。後出しでエピソードを作ったんじゃないですか? ガハハハ!」。

そのとき、マネージャーの古屋智美が「あっ!」と声をあげた。

「川上さん、その話、本当ですよ。私、企画書、見ましたもん。あれっ、ということは私のところで企画書を止めちゃっていたのか……ごめんなさい」

まさかのカミングアウトだったが、これで一気に場が和み、トントン拍子で玉井詩織の表紙&巻頭特集が決定。それ以降、毎年、誰かのソロ表紙を組み、さらにメンバー全員が登場する号を年末に出す、というのが既定路線となっていった。
AUTHOR

小島 和宏


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