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UPDATE|2020/06/03

元AKB48渡辺麻友が芸能界を電撃引退、最後の瞬間まで忘れなかった“まゆゆの信念”とは

2015年に発売された渡辺麻友ソロシングル『出逢いの続き』



いかにSNSと向き合うか。現代アイドルの最重要課題のひとつだ。繊細さゆえ、まゆゆはSNSとも一定の距離を保っているように見えた。その理由について質問したことがある。

「私はSNSめっちゃ怖いなと怯えている身なので。ツイートボタン押すだけで発信しちゃう。なんて恐ろしい。『おはよう』とか『おなか空いた』とかは何も考えずにツイートしますけど、ちゃんとした文章の時は1時間ぐらいかけちゃいます。誰かの気に障っちゃうかなとか。叩かれることが何よりも怖い。基本、怯えて生きてるので」(2017年7月)

そんな性格だから、自分をガードする術を覚えた。

「(いろんな声を)真に受け止めない。感情を途中でなくしたんです。真に受けていたら、身が持たない。だから、11年間やれたんです。でも、難しいですよね。どっちを取るかって」(2017年8月)

かといって、ファンの気持ちまで遮断していたわけではない。むしろ人一倍気をつかっていたことがある。

「人間として感謝の気持ちを忘れない。仕事をするにあたって、いろいろな方が動いてくださっているので、周りの方やファンの皆さんへの感謝の気持ちを常に忘れずにいようと思っています。あと、初心を忘れない。それは大事です。長くやっていると忘れてしまいがちになるじゃないですか。(活動を)始めた頃の気持ちを忘れないように、感覚が麻痺しないようにしないと」(2014年7月)

「やっぱり最初の頃の気持ちを思い出すと頑張ろうっていう気持ちになります。私の場合、AKB48が好きで入れたわけだから、その嬉しさを思い出すと頑張れるんです」(2013年11月)

例えば、「今、AKB48はピンチだと思います」(2016年の総選挙)といった、強い言葉に隠れがちだが、まゆゆは総選挙のスピーチで感謝と初心を忘れないこと何度も話している。人間として大切なことを忘れて、何がアイドルか。そんな信念が浮かび上がってくる。

事務所から引退の発表があった数時間後、まゆゆはツイッターを更新した。そこに綴られていたのは、「これまで関わって下さった皆様、応援してくださった皆様、誠にありがとうございました!」という感謝の言葉だった。まゆゆは最後まで初心を忘れなかった。
AUTHOR

犬飼 華


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