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UPDATE|2020/06/21

遠藤利明・元五輪担当相が語る(1)「オリパラでは、日本の次の在り方を示していきたい」

左から井上咲楽、遠藤利明 撮影/松山勇樹



井上 来年に延期となった東京オリンピック・パラリンピックは、その後の日本にどんな影響を与えてくれそうですか?

遠藤 鋭い質問ですね。前回の東京オリンピックは、戦争が終わって約20年、日本が世界に追いつけ・追い越せと経済成長を始めた時期に重なっていました。戦後からの復興という意識を共有して頑張ろうという一体感があり、日本が次のステップに向かっていったわけです。

井上 はい。

遠藤 じゃあ、今度の東京オリンピック・パラリンピックがもたらすレガシー(遺産)は? と、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣だったときも何度も聞かれました。前回は世界に追いつけ・追い越せでしたが、今の日本は先進国です。ただ、世界にも類を見ない超高齢化社会を迎えようとしています。それは長寿健康国でもあるということ。そこで、私たちはどういう社会、どういう国造りを目指していくのか。オリンピック・パラリンピックは、ハード面よりもソフト面を世界にお見せする場となるはずです。

井上 ソフト面というと?

遠藤 健常者も、障がいを持った人も、高齢者も一緒に共生していく。文化や言語、国籍や年齢、性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わず、すべての人が一緒に生きられるユニバーサルデザインの整った社会。オリパラを通じて、先進国となった日本の次の在り方を示していきたいですね。もちろん、そうした社会を実現するうえで欠かせない日本の技術力も改めて世界に発信していきます。オリパラという舞台で、世界最高の技術を披露します。たとえば、水素社会の推進です。

井上 水素社会?

遠藤 日本を含め、世界の大きな課題が地球温暖化です。オリンピックでのマラソンが札幌開催となったように、年々、夏の暑さは厳しくなっています。これは日本に限らず、世界的な傾向です。そこで、温室効果ガスを発生しない、二酸化炭素が出ないノーカーボンの社会を作っていく必要性が高まっています。水素エネルギーはまさにノーカーボン。この技術を使った社会を作っていく取り組みを、世界に先駆けてオリパラを舞台に伝えていきたいと準備を進めてきました。

井上 具体的にはどんな取り組みを見ることができるんですか?

遠藤 先日、私も参加しましたがギリシャで聖火の炎の採火式がありました。太陽の光の熱から生じた聖火を日本に運び、聖火台や聖火リレートーチの燃料に大会史上初めて水素を活用していきます。また、福島県の浪江町にできた世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」で作った水素燃料を使い、選手村周辺を行き来する車両のエネルギーに。車両はトヨタが作っている水素を燃料とする燃料電池自動車ミライです。水素燃料は燃えても二酸化炭素ガスを排出せず、水になるだけ。SDGs、持続可能な社会を作ろうという国連憲章に基づいた最初のオリンピック・パラリンピックになります。

>>(2)はこちらから。

(取材・文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。現在は『アッコにおまかせ』(TBS)などバラエティ番組を中心に活躍。
Twitter:@bling2sakura

▽遠藤利明(えんどう・としあき)
1950年1月17日生まれ、山形県出身。自民党所属衆議院議員。山形県会議員を経て1993年、衆院初当選。副文科相、五輪担当相などを歴任。衆院山形1区、当選8回。

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