『月刊エンタメ』に連載中の「井上咲楽の政治家対談」、今回は2020年東京オリンピック・パラリンピック大臣などを歴任した遠藤利明議員が登場。約1年延期となったオリンピック、その予算の出所について直撃。(5回連載の3回目)
【写真】遠藤議員のキャッチフレーズ入り“当せんべい”>>(2)
オリンピックの延期…その経緯と裏側から続く
井上 報道では会場借り換えや人件費など、延期のための追加費用として3000億円くらいかかると出ていました。そのお金ってどこから出るんですか?
遠藤 オリンピックの予算を中心となって負担するのは、国ではなく、東京都と組織委員会なんですね。1兆3500億円の予算案のうち、都と組織委員会が6000億円ずつ、国は国立競技場の建設、パラスポーツへの支援などで1500億円を負担しています。ところが、井上さんの指摘するとおり、延期になったことで追加費用が必要となりました。この負担をどうするかは、都、組織委員会、国、IOCを巻き込んでの交渉と調整となります。
井上 大変そうです。
遠藤 簡単ではないですね。ただ、延期に関する世論調査では、80%以上の人が延期に賛同してくれて、中止を求めたのは8%の人でした。やはり国民のみなさんの支持がなければできない大会ですから、その結果を受けて、最終的に安倍総理、東京都の小池知事も延期を決めたわけです。みんなで作るオリンピック・パラリンピックとして、改めて盛り上げていきたいですね。
遠藤 オリンピック・パラリンピックが日本経済にもたらす経済波及効果は、32兆円という試算があります。
井上 そうなんですか! だとすると、延期して費用が増してもプラスになるんですか?
遠藤 これからしばらくは新型コロナウイルスの影響で経済活動が低迷します。ただ、その後にオリンピック・パラリンピックの開催があり、その経済波及効果が期待できるというのは日本にとって大きなプラスだと思います。
井上 緊急事態宣言も出て、いつ収束に向かうんだろうという不安な気持ちがあります。でも、1年後にオリンピックがあると思うと、それが1つの目標にもなりますね。