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UPDATE|2020/07/25

Mr.議員立法・山下貴司元法相に聞く「コロナを乗り越えるのに、ライブ・エンタメは絶対必要」

左から井上咲楽、山下貴司 撮影/松山勇樹



山下 大臣当時も朝、眠たくて仕事にスイッチが入らない日もあります。そんなときはDA PUMPの『U.S.A.』を聴いて、1人で盛り上がってから家を出るとかね。そういう経験、誰もがあるじゃないですか。

井上 そうですね。

山下 ライブ・エンタメ業界の人たちは新型コロナウイルスの影響を受け、最初に自粛してくださったんですよ。ところが、一部で「不要不急だから」と言われ方をされてしまった。これに腹を立てているライブ・エンタメ業界の人の気持ちはよく分かります。でもライブ・エンタメは人間にとって大切な「心にかかわる」問題です。挫けそうな人の心を支えてくれるのが、ライブであり、エンタメであり、アーティスト。今後、コロナを乗り越えていく上でも、ライブ・エンタメは絶対に必要です。

井上 でも、非常事態宣言の前から自粛をしてきたライブ・エンタメ業界は大きな影響を受けています。

山下 ライブ・エンタメ業界の方は、お金儲けのためだけを考えている方がいないんですよね。根底には、純粋にお客さんを喜ばせたいという思いがあります。ライブのチケットを例にしても、他の国に比べるとすごく安いんですよ。海外では最前列の特別席は何十万円なんてことが普通にあります。でも、日本ではアーティストの側に「いろんなファンの方に来てもらいたい」「金額でファンを区別することはしたくない」という意志があって、席種も多くてSS、S、A、Bくらい。華々しいイメージがある世界ですが、実は経済的に流れが止まったときに弱い業界なんですよね。実際に自粛が続くなかで経済的に行き詰まり、その日の生活にも困るような状況になってきたという声をたくさん聞いています。

井上 支援はどのように考えてくださっているんですか?

山下 政府与党として、コロナ対策の一次補正予算と二次補正予算でライブ・エンタメ向けの支援策として1500億円を超える予算を計上しました。収益がなかなか上がらない無観客状態を支援するような仕組みもありますし、海外に向けた配信をサポートする仕組みもあります。この規模の予算計上は、他の国と比べて一桁多いんです。アメリカの5、6倍。規模だけでなく、支援の仕組みも含め、もっと発信していきたいなと思っています。

>>(2)はこちら

(取材・文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。『おはスタ』(テレビ東京)の水曜レギュラーほかバラエティ番組を中心に活躍。Twitter:@bling2sakura

▽山下貴司(やました・たかし)
1965年9月8日生まれ、岡山県出身。自民党所属衆議院議員。東京大学卒業後、検察庁検事を経て衆議院議員に。令和初の法務大臣であり、8年で10本の議員立法を実現し、Mr.議員立法と呼ばれる。
CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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