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UPDATE|2020/07/22

太田隆文監督が語る『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』

『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』


──ナレーションを宝田明さんと斉藤とも子さんにお願いした理由をお教えください。

太田 アナウンサーが原稿を上手に読むだけでは沖縄戦は伝わらないと思えました。証言者が戦争を体験した人なのに、ナレーターが戦争を知らない若い人ではダメ。そこで戦争に対して「想い」や「経験」がある人をと考えました。宝田さんは子供の頃に満州から引き揚げて来た経験がおありだし、斉藤とも子さんは『ひめゆりの塔』の映画にも出演していて、実際にひめゆり学徒だった方々に会って話を聞いています。どちらも戦争に対する強い「思い」をお持ち。それがとても大切だと感じて、お二人にお願いしました。

──昨年完成披露上映会を開催した沖縄の方たちの反応はいかがでしたか?

太田 戦争を体験された方もいらっしゃったでしょうし、詳しく勉強されている方もいたので「これは違うぞ!」と言われないか?と心配だったのですが、3回の上映後、3回とも拍手が起きました。上映後に声をかけられて「作ってくれてありがとう!」「必ず全国で上映してくださいね、沖縄戦を伝えてくださいね!」と何人にも言われました。「多くの人に伝える」という映画の意味を感じました。沖縄の皆さんの思い、全国に伝えたいです。

──本作で特に注目してもらいたい部分は?

太田 監督である僕自身が知識ゼロからスタートし、勉強しながら制作したので、専門的になり過ぎず、中学生が見ても分かる内容になっています。「歴史を勉強する難しいドキュメンタリー」というつもりで作ってないし、悲しい話ばかりじゃなくて、途中に「へーそうなんだ」というエピソードも入れて、1時間45分、退屈せずにいろんなことが分かる作品。若い方にもぜひ見て欲しい。沖縄戦だけでなく、今の日本。そして未来が見えてくる作品。映画館で見ていただけると嬉しいです。


▽『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』
7月25日(日)~8月21日(金)まで新宿K’s cinemaにて公開されるほか、第七藝術劇場(大阪)、名古屋シネマテーク(愛知)、京都シネマ(京都)、桜坂劇場(沖縄)ほか全国各地で上映。

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