5月26日から休館していたAKB48劇場での公演が6月2日に再開された。この日は当初チームKの「RESET」公演が予定されていたが、スケジュールを変更して、チームAの「恋愛禁止条例」公演が上演された。
AKB48の公演は、5月25日に岩手県内で行なわれた握手会イベントにて川栄李奈と入山杏奈が刃物で男に襲われて負傷した事件を受けて中止されていた。今回の公演では警備員の数をこれまでの8名から17名に強化、開場中の入口にはスタッフ3名に加え、警備員4名が配置された。
観客の入場時には、空港と同じレベル設定のゲート式金属探知機を2台設置してチケット購入者へのチェックを実施。ゲートで金属反応があった来場者には警備員によるボディチェックも行なわれた。
金属探知機で反応が出た観客には個別でボディチェックを実施 (c)AKS
開演中は、客席の1列目は着席使用不可とし、ベンチの間の縦通路には鉄柵を設置。鉄柵とステージの間には警棒を携帯した警備員が4名配置された。劇場名物となっている2本の柱の裏側にもスタッフが配置されたほか、客席の最後方にもスタッフ1名を配し、劇場内全体の警戒にあたった。
同様に開演中は入口に警備員2名が立ち、入場口の警備に加えて再入場する客を金属探知機でチェック。さらにメンバーの楽屋前にも劇場スタッフと警備員を配置した。
客席最前列を使用不可とし、鉄柵で客席とステージを分ける措置が取られた (c)AKS
このようなものものしい警備体制が敷かれるなか、8日ぶりに復活した劇場公演。開演前には出演メンバー全員がステージに登場し、AKB48グループ総監督の高橋みなみは「AKB48です。みなさんには大変ご心配をお掛けしました。今日から、この秋葉原での劇場公演を再開させていただきたいと思います」と挨拶した。
続けて、「花道が使えなかったり、金属探知機の導入、そしてこの目の前にある最前列の柵、みなさんにはたくさん御協力していただいて、我慢していただかなければならないことがたくさんありますが、今日この場所から再スタートさせていただきたいと思います」と、今回の警備体制についての理解を求めた。
公演前にはメンバー全員がステージ上に並んだ (c)AKS
さらに、「なぜ今日、チームA公演かというと、それは川栄、入山がいるチームだからです。現状人数が足りない状態ではありますが、2人が戻ってくるまでの間、きちんとこの劇場を守れるように頑張っていきたいと思っていますので、みなさんぜひお力を貸してください」と、今回の演目がチームA公演になった意味を説明。それはとりもなおさず、川栄と入山へのエールでもあった。
そして高橋は、「これからもAKB48グループグループの応援をよろしくお願いします」と呼び掛け、観客から拍手と声援を受けると「ありがとうございます。みなさんの声が私たちの力です。今日は新しい一歩です。みなさん一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします」とファンに感謝の言葉を述べた。
ファンに対して状況の説明と感謝の気持ちを述べる高橋みなみ (c)AKS
公演が残り1曲となった際には、高橋は再びマイクを手にし、公演の印象を説明。「不思議な緊張感と不安がたくさんありました。でも、今日こうして公演に立って思ったことがあります。やっぱり公演は楽しいです。スゴく大切な場所でした。これからもみなさんと一緒にこの場所に立てていけるように頑張っていきたいと思います」と振り返り、「これからもAKB48グループの応援をよろしくお願いします」と挨拶した。
チームAのメンバーは療養中の川栄と入山の分まで気持ちを込めてパフォーマンスを繰り広げた (c)AKS
なお、公演後のハイタッチ会は警備強化のために行なわれなかった。