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UPDATE|2020/09/15

玉城ティナが語る学生時代と影響を受けた本「江國香織さんの作品で恋愛観を形成した」

玉城ティナ 撮影/松山勇樹

アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがっているんだ。』など数々のヒット作を生み出してきた、脚本家・小説家の岡田麿里が原作を務めた漫画『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(講談社、作画:絵本奈央)。高校を舞台に「性」と「愛」に翻弄される文芸部に所属する女子5人の姿を描いた物語は、原作、2019年7月から放送されたアニメ共に話題を呼んだ。そして9月8日(火)深夜からはMBS/TBSドラマイズム枠にて実写ドラマ版が放送開始された(放送終了後TSUTAYAプレミアムで配信中)。

ドラマで大きな根幹をなすのが文学だ。今作の主要人物にして、全ての発端となるミステリアスな美少女・菅原新菜役を務めるのは近年モデル・女優として目覚ましい活躍を見せる玉城ティナ。彼女に自身の学生時代の話と影響を受けた本について聞いた。(前後編の後編)

※前編:玉城ティナ、ミステリアスな文芸美少女に「観ている方も真剣に性について悩んでいただけたら」はこちらから。

【写真】制服姿の似合う玉城ティナが演じるミステリアスな文学少女、ドラマスチール&撮り下ろしカット

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――今作の大きな根幹をなす文学についてもうかがえればと。最近でも『現代思想』(青土社)の増刊号にて澁澤龍彦・著『快楽主義の哲学』を推薦されていらっしゃるなど、新菜同様に文学に明るいイメージがあります。

玉城 いやいや、あれは学生時代に、たまたま手に取っただけで(笑)。

――澁澤をたまたま手に取る方がすごいですよ(笑)。それこそ新菜が愛読するバタイユも読んでいらっしゃると。しかも『太陽肛門』だそうで……。

玉城 あ~!そうです、そうです!「世界に存在するものは全て何かのパロディである」っていうことをワッ!と書いた内容なんですけど、スゴイですよね。なんであんなくだらなくて、変な本を書いたんでしょうね(笑)? 最初読んだときは何がなんだかサッパリわからなかったんですけど、最近は言いたいことがなんとなくわかってきたんですよ。私もきっと全てがどうでもよくなったら「太陽も肛門と同じだ!」と思うんだろうなぁって(笑)。

――アハハ!そう思う日がこないことを祈ります。

玉城 あとは『惡の華』をキッカケにボードレールも読みました。彼の作品からは、彼が抱くコンプレックスがひしひしと伝わってくるんですよね。詩集って男性作家のものと女性作家のものを読み比べると、違いが感じられて面白いんですよ。私の感想ですが男性の詩は“悲痛さ”を感じる作品が多く、切なさが良い意味で味になっている気がします。

――人生で一番印象に残っている作品はありますか?

玉城 う~ん……やはり、沖縄にいたころから読んでいる江國香織さんの作品でしょうか。本当にどれも素敵で。中でも江國さんの恋愛描写が好きで、「大人の人ってこういう恋愛するんだ!」と、私の中の“大人の恋愛”像の端緒は江國さん作品で形成された気がします(笑)。
玉城ティナ
AUTHOR

田口 俊輔

CREDIT

ドラマスチール(C)岡田麿里・絵本奈央、講談社/2020ドラマ荒乙製作委員会・MBS


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