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UPDATE|2020/09/21

元引きこもりから女子プロ王者へ…スターダム・岩谷麻優が“遅咲き”人生を語る「私にはプロレスしかない」

岩谷麻優 撮影:大川昇



「いやぁ、やっぱりプロレスラーは試合をやってナンボの存在なんで。最初のうちは試合が流れて、ちょっとホッとした部分もあったんですよ。肩とか膝にダメージが蓄積していて、試合前に痛み止めの注射を打って、ごまかしながらリングに上がっていた部分もあったので、これでオーバーホールできるなって。でも、試合をしないプロレスラーってニートみたいなもんじゃないですか? なんか引きこもっていた時代に戻っちゃったような気分になって、これじゃいけないなってトレーニングを再開しました。

ただ、さすがに決まっていた試合が直前で流れるのはしんどいですね。私だけでなく、みんな、試合に合わせてコンディションを整えているし、肉体的な面よりもモチベーションを保っていくのが難しい。まぁ、私の場合、なんにも考えずに直感で動くタイプなんでリングに上がっちゃえば関係ないんですけど、自粛期間にジムに通うようになって、今、絶賛肉体改造中です。いままであんまり筋肉をつけようとは思っていなかったんですよ、いかにリングの上で動けるかを重要視していたので。ただ、次の防衛戦の相手は蹴りの威力がものすごいので……やられてもやられても立ち上がる岩谷麻優をお見せしたいんですけど、そこまでの余裕がないかもしれないし、少しでも蹴りに耐えられるように筋肉つけることも大事だなって」

8月に中止となった横浜武道館でのビッグマッチは10月3日(土)に同所で開催されることが決定。タイトルマッチスケジュールもそのままスライドし、岩谷麻優は総合格闘技でも活躍している朱里の挑戦を受けることとなった。

「この記事や私の本を読んで、少しでも興味を持ってくださった方には、ぜひ試合を見ていただきたいですね。女子プロレスはちょっと……と偏見を持たれている方がまだ多いと思うんですけど、一度見ていただければ、絶対にハマっていただける自信はあります! それに人の心理としてボコボコにやられている人を見るとスカッとするんですよ(笑)。今、ストレスを溜めこんでいる方が多いと思うので、女子プロレスで発散してください」

一度、止まりかけていた時計の針がゆっくりと動き始めた。

令和の女子プロレス黄金時代は、すぐそこまできている。

▽岩谷麻優
『引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで』
発行:彩図社
定価:¥1,650
AUTHOR

小島 和宏


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