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UPDATE|2020/09/22

田村憲久議員に直撃、自民党のコロナ対策のすべて(前)「自民党と官邸の対策本部はどう違うんですか?」

左から井上咲楽、田村憲久 撮影/松山勇樹

『月刊エンタメ』に連載中の「井上咲楽の政治家対談」、今回は厚生労働大臣や総務副大臣などを歴任した田村憲久議員が登場。自民党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長でもある田村議員に、コロナ対策について直撃。(前後編の前編)
※取材は7月14日に行いました

【写真】イノサクさんも興味津々の田村議員の事務所に飾られた「松阪牛」グッズ

井上 田村さんは自民党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長として、本当にお忙しい毎日が続いていますよね?

田村 そうですね。7月に入ってからもバタバタとしていますが、4月、5月は家族にも会えない状況でした。地元の三重県にも帰れず、奥さんとは離れ離れの生活が2カ月くらい続きましたね。

井上 私もそうなのですが、読者の方もコロナ対策と言うと、西村康稔経済再生・新型コロナウイルス感染症対策担当大臣のお顔を思い浮かべると思います。自民党の対策本部と、官邸の新型コロナウイルス感染症対策本部はどう違うんですか?

田村 自民党の対策本部はコロナウイルスが中国・武漢で広がり、日本にも影響が現れだした1月の終わり頃に立ち上がりました。1月15日に日本でも最初の市中感染が起こり、党の中でもこれは大きな問題になるだろうという危機感が広がって、感染をどう防いでいくか、治療法やワクチン開発への支援をどのように行っていくかなどについて検討を始めたわけです。

井上 そうなんですね。では、田村さんたちが取りまとめた提言を首相官邸の対策本部に伝えるような仕組みになっているんですか?

田村 そうですね。先日も冬のインフルエンザ流行期に向けた提言をまとめ、政府に伝えました。たとえば、コロナウイルスによる発熱の症状はインフルエンザとなかなか見分けがつきません。一方、データを見ると、インフルエンザは年間平均して1000万人くらいの人がかかり、医療機関を受診しています。ただ、今年の春先は多くの人がコロナ感染防止のために手洗い、うがいをし、マスクをしたので例年に比べるとインフルエンザの患者さんが3分の1くらいに減りました。

井上 そうですね。みんなが例年以上に徹底していました。

田村 ですから、楽観的に考えると今年の冬のインフルエンザの流行は例年以下になるかもしれません。それでも患者数は数百万人規模。それだけの人が発熱などの症状で病院に押し寄せれば、その中にコロナの患者さんもおられるはずです。

井上 確かに、自分では熱がどのウイルスのせいか分かりませんね。

田村 となると、病院に行くこと自体に不安を感じられる方も増えますよね。そこで、各地域に発熱した人が受診する専用の医療機関を作るよう提言しました。熱が出た人たちはそちらに行っていただいて、検査をしていただく。鼻から検体を取る方式であれば、コロナもインフルも同時に検査できるので効率的です。そして、指定病院では院内感染が起こらないよう徹底した対応を行なってもらう。そういったことも含めて冬に向けた準備を政府にさせるべく我々から伝えているわけです。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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