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UPDATE|2020/10/18

議員生活27年、ベテラン・野田聖子議員の原動力「名誉のためではなく頑張る女性の声をすくい上げたい」

左から井上咲楽、野田聖子 撮影/松山勇樹



野田 どうしてかと言うと、役人は何百人と連携して法案を作れるんです。でも、私は何もかも1人で始めるから。役人が半年ぐらいでまとめる法案を7年かけて実現したこともあります。でも、できたときの達成感はひとしおよね。私がまだ30代の頃、デビュー作と言えるのが、「児童買春・児童ポルノ禁止法」。ここが原点なんだけど、私は当時まだ議員としては若くて、全然力がなくて。それでも、当時は自民党の衆議院議員に女性議員がほとんどいなかったから、ある日、NGOの方が「今までは野党にしか相談に行けなかったけど、与党に女性議員が誕生したのでお願いにきました。与党でないとできないことだから」と会いに来てくれたんです。それで話を聞いたら、カンボジアやタイで、日本の男たちが5歳や6歳の子どもたちを性的に食い物にしている、と。

井上 そんなことが?

野田 そのとき、見せられた写真があってね。5歳の女の子の性器にバイブレーターが突っ込まれて、大出血しているところだった。「これは日本人男性がやったんです」と言われて。何かもう、この国って何? って愕然としちゃった。

井上 本当にひどい……。

野田 そこから自分の使命が決まったのかな。「児童買春・児童ポルノ禁止法」はそこから完成まで7年かかりました。だけど、子どもにそんなことしちゃいけないって当たり前のことじゃない。

井上 そうですね。

野田 だけど、禁じる法律がないからと抜け道を探す人たちがいる。それを問題視して、声を上げる女性たち、自分の名誉のためにではなく頑張っている女性たちがいることが、私はうれしくて。そういう声をすくい上げる議員になろうと思ったの。だからちょっと野党っぽいのかもしれない。大きな声はみんなが聞いているけど、小さな声はみんな捨てていくのよね。票にならない限り。でも私は、小さな声をあげている人たちの心根こそが世の中をよくすると思っているからその声を聞いていこうと思う。

井上 頼もしいです。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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