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UPDATE|2014/07/13

ハロヲタ女子のぱいぱいでか美 「ももちにレスをもらった翌日に高熱が出ました」

 6月25日にデビューアルバム『レッツドリーム小学校』をリリースした「ぱいぱいでか美」。東京のインディーズシーンでは名前の知られた彼女は、Berryz工房の嗣永桃子が推しメンというハロヲタでもある。

 7月10日にはタワーレコード新宿店でミニライブ&撮影会を行なった異色の存在であるぱいぱいでか美に、デビューに至るまでの足跡やハロヲタ歴、妹分(非公式)を自認する大森靖子との関係などをインタビュー。思わず納得してしまうそのヲタぶりから、彼女の魅力の一端に触れてもらえれば幸いである。
 

ピンクのふわふわスカートにツインテールなど、ステージではガーリーな出で立ちが多い。胸元が大きく開いたトップスにらしさが表われている

――三重県から上京したわけですが、三重って名古屋がわりと近いんですよね。

でか美 近いですね。名古屋にはすごい行ってました。

――名古屋のライブシーンとか、バンドシーンに親しんでいたんですか。

でか美 名古屋のライブシーンと言うより、アイドルやバンドを観るには名古屋まで行かないとならないんです。当時はGOOD4NOTHINGっていうパンクバンドが好きで、メジャーなところではUVERworldとか、インディーズも観に行ってました。その帰りにハロプロショップ(名古屋大須店)に寄って帰ってましたね。

――パンク観て、UVERworld聴いて、ハロプロショップ行ってという振れ幅はすごいですね。

でか美 そもそも、嫌いなものがあまりできないんです。サブカル好きの人ってたとえばEXILEとか浜崎あゆみとかを嫌いな人が多いと思うんですけど、私はけっこうEXILEもあゆも好きで。

――なんでも好きになれちゃうわけですね。

でか美 それこそ厨二病の時は、「バンド以外はダサい」みたいなのもあったんですけど、ある程度の年齢になってからは、どれも楽しめたほうが人生楽しいって思えるようになって、食わず嫌いを克服する感じで、好きなものがどんどん増えていったんです。

――高校生くらいの時でしょうか。

でか美 そのころはとくにパンクとハロプロが好きで、周りからも、「でか美ちゃんって、音楽好きだけどアイルドルも好きだよね」みたいに、両方の層の人から認めてもらえるようになりました。そうなると、パンク好きの友達は「ハロプロってそんなに悪くないのかも」って思ってくれたりして、そうやって繋げる感じが嬉しかったんです。

――自分が両者の入り口になって、両方を繋げるっていうのは理想的ですね。

でか美 今でこそアイドルも一般的になりましたけど、私が高校生の時、6年前くらいの時はまだ、「アイドルって、キモいオタクしか見てないんでしょ?」みたいな感じもあったんです。だから、私みたいな普通の感じの女子が「ハロプロはいいんだぞ!」って伝えることで、みんなに聴いてもらえたらないいなという気持ちがありました。

――そうやって、ハロプロをみんなに広めていったと。

でか美 そもそもハロプロを好きになったキッカケは、仲良かった友達なんです。その男の子は自分がヲタだってことをずっと隠していたんですけど、私なら偏見がなさそうだって信頼してくれて、「実はBerryz工房が好きなんだよね」ってカミングアウトしたんです。

――おお、カミングアウトされちゃった!

でか美 その友達が最初に℃-uteのコンサートに連れてってくれて、そこで初めて生でアイドルを見たんですが、バンドと同じでアイドルもライブのほうがめっちゃいいってなったんです。そのうち自分のヲタ度のほうが加速していって、その友達は置いてきぼりっていうか、全然一人で行くみたいな感じになりました。
 

ぎこちなくこゆビームのポーズ。ももちへの愛情は半端ない

――ヲタ度が高まって、ハロプロショップにも通うようになったわけですね。

でか美 めっちゃ行ってました! 当時はライブもハロコンとツアーくらいでしか名古屋に来なかったし、リリースイベントで来ることも少なかったので、Berryz工房でも℃-uteでもモーニング娘。でも、誰が来ても行くくらいの勢いでした。当時はたまに「選民イベ」っていうのがあって、CDに入っているシリアルコードで当選した人だけが参加できるイベントにも行ってました。

――それほど足を運んでいたとなると、東海地区のヲタの間ではけっこう知られた存在になっていたのでは。

でか美 いや、全然です。ホントに一人ヲタでした。2ちゃんねるのモ娘(狼)板に、「一人で行くスレ」みたいな一人ヲタのスレがあって、そこで情報をゲットしてましたね。1回だけ、大阪のヲタの女の子とmixiで知り合って一緒に行ったことがあるんですけど、ホントそのときくらいですね。

――でも、女ヲタって少ないから目立つのでは。

でか美 たしかに女ヲタがすごい少なかったから、チヤホヤされるんです。私は男の子の友達も多かったから、ヲタの人たちとも対等な友達になれるなら良かったんですけど、女ヲタはどうしても女の子扱いされるんですね。そういうふうにチヤホヤされるのが好きな女ヲタもいるんですけど、私自身はそういう女の子が苦手で、仲良くできそうにないなって思っていて、一人の方が気楽かなあと。

――なるほどね。ハロプロに目覚めた高校生時代があって、音楽関連の専門学校に入学するため上京しました。東京はハロプロのイベントありまくりじゃないですか。

でか美 もう天国かよ! みたいな感じ(笑)。ただ、今度は財力の問題で全部は行けなかったんです。予定とお金が合えば行くみたいな感じでした。
 

ハロプロについて語るときは実にウキウキした感じが伝わってくる

――東京に来て最初に行ったイベントって覚えてます?

でか美 ももち(嗣永桃子)の世代が、卒業アルバムみたいなのを出したんです。セーラー服で撮るグラビアみたいな本のイベントがあって、ももちのほかに真野恵里菜さん、菅谷梨沙子さん、矢島舞美さん、鈴木愛理さんがいて、そのイベントが最初です。 ※ワニブックス『Hello!Project BEST SHOT!!春 vol.18』 2010年3月24日発売

――それって、すごいラインナップですよね。

でか美 もうめっちゃ豪華で、完全に意識が飛びました(笑)。そのイベントですごく覚えていることがあって、当時ももちはまだあまりメディアに出てなくて、でも何かのテレビ番組に出るのがわかってたので、「観ます!」って言って握手したんです。そうしたら、ももちから「絶対に観なきゃだめだよ♡」みたいな感じで言われて、「もう絶対に観る!」って思いながら帰ったことを、めっちゃ覚えています(ニッコリ)。

――あの口調で、嗣永さんが言ってくれたんですか。

でか美 もう、すごいかわいかったです(ウットリ)。あと、名古屋のときは必死にならなくてもイベントに参加できたのが、東京だと始発電車で行ってもすごく並んでて、東京にはやっぱオタが多いんだなってビックリしました。

――東京には聖地・中野サンプラザがありますけど、中野初体験は?

でか美 それがけっこう最近で、今年1月の「GOiSU」(Hello! Project 2014 WINTER ~GOiSU MODE~)が多分初めてです。中野サンプラザってGWやお盆が多いので、なかなかスケジュールが合わなかったんです。だからいつもは座間とか八王子とかに行ってて、初の中野では「いよいよ来たぞ!」って感動しました(笑)。

――素晴らしい。ライブにはどんな服で行くんですか?

でか美 ボトムは動きやすいショートパンツとかで、上はオタTか、ピンク系の服です。あと、髪型はツインテールで。

――そこはこだわりますね。でも、ももち結びって難しくないですか?

でか美 最初のうちはずっと、ももち結びで現場に行ってたんですけど、毛先がめっちゃ痛んじゃって。だから最近は普通の固めないツインテールにしています。ももちはきっと、ヘアメイクさんにやってもらっているから痛まないんでしょうけど、私みたいな素人が自分でやっちゃダメでした(苦笑)。

――なるほど、女子ヲタからじゃないと聞けない話ですね。それだけ気合い入れていけば、レスをもらえたりとかも。

でか美 あまり良席とらないんですけど、脳内では目が合ったような気がするみたいな(笑)。お台場ヴィーナスフォートのリリイベの時が一番近くて、2列目とかで観れたんですが、その時は「これが噂に聞くレスなのではないか」みたいな(笑)。

――ついにレスがきた!

でか美 その日はずっと、ちょっと小刻みに震えながら帰って。しかも次の日に謎の高熱が出て、バイト休んで、めっちゃ怒られるっていう(苦笑)。
 

自身のライブでもツインテール! さすがに毛先はまとまっていないが気合いは十分だ

――いやあ、いい話だ。ではハロプロの話からは離れて、アルバムのことを聞きますね。この『レッツドリーム小学校』というアルバム名はどういう意味なんでしょう。タイトルトラックがないから、手掛かりがないんですよ。

でか美 このアルバムを出せることになったとき、どうしてもハロプロに絡めたタイトルにしたくて、最初は「○○工房」にしたいってワガママを言ったんです。でも周りからインパクトがないって言われ、そこからいろいろ考えて、「レッツドリーム小学校じゃダメですか?」ってなったんです。

――工房から小学校って、かなり飛躍してますよね。

でか美 結構こじつけなんですけど、Berryz工房ってメンバー全員が小学生の時にデビューしてるから、自分もデビュー当時のBerryz工房の気持ちになれるよう、「レッツドリーム 小学校」みたいな感じで(笑)。これならBerryz感あるかなって。

――実はハロプロに寄せていたと! 自分で歌詞を書いている曲が多いですが、歌詞づくりのスタイルについて教えてください。

でか美 自分で作曲するときはメロディーから作って歌詞をつけていくタイプなんですが、今回も先にメロディーをいただいてから歌詞を付けたので、やりやすかったですね。曲をもらったら全部聴いてみて、すると普段から「この言葉使いたいな」みたいに思っていたものが、曲のどこかに一つ降りてくるんです。それで「じゃあこの曲はこのテーマにしよう」みたいな感じです。

――言葉のほうから降りてくるんですね。

でか美 そこからは、後ろに繋げていくなり、前に繋げていくなりして、ボーンってあるものに肉付けしていくみたいな感じ。バンドをやっていた時は小説的な書き方をしてたんですが、そのやり方だとどうしても難しい言葉を使いたがっちゃうっていうか、椎名林檎さんとかの影響をもろに受けてるのがダサくバレちゃう感じがあって(苦笑)。

――好きなアーティストの影響は大きいですよね。

でか美 だから小説風に書くのはダメだなって思って。最近は大森靖子さんの影響もすごく受けてて、大森さんの曲ってあまり難しい言葉がないし、わかりやすい言葉を使ってても、聴く人のほうが「この言葉の意味の裏は」みたいに勝手に深読みしてくれる(笑)。だから、みんなが普段使っている言葉で書いたほうがいいのかなと思って、肉付け式に変わりました。
 

1stアルバム『レッツドリーム小学校』 川本真琴が楽曲提供しているほか、東京のインディーズシーンを代表するアーティストが多数参加している

――YouTubeにアップしている『下着返せ』は実体験なんですか。

でか美 そうですね。あの曲に関しては、その下着を盗まれた時に書きました。

――下着って本当に盗まれるんですね。

でか美 もう超びっくり! 窓の外に干してて、急いで取り込んで、取り込みっぱなしにしてたんですよ。それでシャワー浴びて、取り込んだ山のなかから下着を取り出そうとしたらなくて、「あー、もう終わった、盗られた」みたいな。もう全裸で号泣しましたもん。

――全裸で号泣! いろんな意味で悔しいですねえ。

でか美 めっちゃ悔しいです、ホントに。しかも洗濯とか家事が嫌いで、たまに張り切って洗濯したらこれかよ、と思って(笑)。

――そんな悔しい経験もあるなかバンド活動していたわけですが、アイドルのオーディションを受けようとは思わなかったんですか?

でか美 それが、私がハロプロにはまったころは鎖国してて、オーディションが何もなかった時期だったんです。ハロプロエッグしか募集してなくて、それだと年齢が合わない。東京に来たらオーディションが始まったんですけど、年齢制限が17歳とか……。でも、LoVendoЯのオーディション(2012年6月)は受けました。

――それは書類審査とか?

でか美 そのときは直接オーディションを受けることができて、行ってみたんですけどダメでした。バンドのほうは「出れんの!?サマソニ!?」とかいっぱい応募してましたけど、こっちも全然ダメでしたね。
 

ライブでは観客を挑発するような激しい動きも見せるが、根が真面目なので、ふだんは大人しめの女子である

――なるほど、難しいもんですね。バンドが解散してからはソロとして一人で活動してますけど、たとえば振り付けとかはどんな風にしてるんですか。

でか美 自分で考えています。歌に邪魔にならないようにとか考えながら、ハロプロを参考にしつつ、ソロアイドルさんではみきちゅちゃんとかいずこねこさんを参考にしています。ライブで一緒になったことがあって、みきちゅちゃんには良くしてもらっています。いずこねこさんを好きになったキッカケは、大森靖子さんのスタッフみたいなことをやっていたときに同じライブに出ていたんです


――衣装はどうしているんですか。

でか美 いま着ている服(インタビュー時の服)は、大森靖子さんからいただきました。でか美ちゃんはいつも同じ服を着てるから、私のあげるよみたいな感じで。私のほうが少しだけ背が高いんですけど、けっこう体型は似ているみたいです

――すごいじゃないですか。いまや大森靖子さんの妹分キャラですもんね。

でか美 非公式で、私が勝手に師匠師匠って言ってるんですけど(苦笑)。

――そもそもどうやって大森さんと知り合ったんですか。

でか美 もともと「ぱいぱいでか美」っていう名前はバンドの時からずっと使っていて、大森さんのバックバンドをやっている人達が「ぱいぱいでか美ってヤバいじゃん、会いたい」みたいな感じでフォローしてくださって、それで知ってくれていたみたいなんです。そして私がTwitterのプロフィールに「嗣永桃子ちゃんが好きです」って書いていたら、ハロプロ好きなら悪い人じゃない、みたいな感じで大森さんがフォローしてくれたんです。

――そこはやはり、ハロプロがキッカケだったんですね。

でか美 それで、「やべえ、大森靖子にフォローされた!」って、すぐフォローを返して、せっかく相互フォローしたからには会いたいって思って、大森さんが出演していたフェスに行ったんです。そこの物販で、「フォローしてもらってるぱいぱいでか美です」って自己紹介したら、「お前か!」みたいになって(笑)、そこから仲良くさせてもらっています。今でこそ大森さんの周りにはハロプロ友達がいっぱいいますけど、そのころはお互いにハロプロ友達がほとんどいなくて、初めてしゃべれる相手ができたみたいな感じだったんです

――素晴らしい。ハロプロは世界を繋ぎますね。

でか美 繋ぎますね、ホントに。ぱいぱいでか美って名前だけで、もうここまできたって感じです

――それでアルバムデビューまで来たわけですが、自分の目標はどの辺に置いていて、いまは何合目くらいでしょうか。

でか美 まだまだスタートラインにも立てていないっていうか、それこそメジャーデビューしてからがスタートなんで、まだそこまで行けてないです。富士登山なら、まだ静岡に向かってるくらいです。目標としてはアーティストとして、大森靖子さんみたいな感じですね。

――知名度が上がっていくと、「ぱいぱいでか美」だから面積の小さいブラジャー付けろって話になったりする可能性もあります。

でか美 6月に出した『PAINPU』っていうCDのジャケットでは完全にヌードになってますし、脱ぐことに対する抵抗はあまりなくて、脱ぐべきところで脱げるならいいって感じです。無駄に脱ぎたくはないですが、お母さんを見る限り多分30歳過ぎたらめっちゃ太りそうなので、見せられるうちにどんどん脱がないとヤバいみたいな……むしろ脱ぎたがりな感じで(笑)。

――大いに期待しています!(笑)

でか美 はい(笑)。あと、TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)に超出たいです! とにかく今は頑張って、みんなが名前で興味を持ってくれる波があるうちに、活動が途絶えないようにしたいです。

――ますますの活躍を楽しみにしています!

でか美 ありがとうございます!
 

セクシーさと可愛らしさ、奔放と真面目が同居するぱいぱいでか美。ライブ以外にもハロプロの魅力を語るトークライブへの出演も多い


■ぱいぱいでか美 公式HP
http://paipaidekami.web.fc2.com/

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