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UPDATE|2020/11/01

元スポーツ新聞記者からセクシー女優へ、澁谷果歩が語る「私が業界に飛び込んだ理由」

澁谷果歩 撮影/松山勇樹

元AV女優の澁谷果歩(しぶや・かほ)の初の著書『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』(サイゾー)が話題を呼んでいる。澁谷は青山学院大学卒業後、スポーツ新聞社に就職。記者として主にプロ野球の取材を担当した後に退社して、2014年11月にAVデビューという他にはない経歴の持ち主だ。

本書が凡百のアダルトビデオ関連本と一線を画しているのは、タイトルからも分かる通り女性読者に向けて書かれていること。2018年9月に引退するまで、オムニバスを含めて約750本に及ぶ、膨大な数の作品に出演した彼女だからこその圧倒的な情報量と洞察力で本書は構成されている。業界の内側が隅から隅まで記されているが、決して露悪的ではなく、業界の現状を素直に伝える作りになっている。

現在は執筆やタレント活動の傍ら、コスプレイヤーやMCとして海外のアニメイベントに多数参加している澁谷に、デビューのきっかけ、女優時代のお金について、引退を決意したきっかけなどについて話を聞いた。(3回連載の2回目)

※インタビュー1<澁谷果歩が教える「女優の給与明細」>はこちらから。

【写真】近年はコスプレイヤーとしても活動、澁谷果歩の撮り下ろしカット

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青山学院大学卒業後、新卒でスポーツ新聞社に就職した澁谷。就職活動の時期、明確にやりたいことはなかったが、いろんなことを手広く触れることのできる職業を考えたときにメディア関係が目に留まった。

「好奇心が強いので、たとえばメーカー系の会社に入って、1つのジャンルに特化した仕事をすることが不安だったんです。その点、マスコミはいろんな世界を見られるから飽きないかなと思ったんですよね。ただ新聞社のインターンシップに行ったら、真面目そうな空気が漂っていて、私には向いてないなと(笑)。もうちょっと砕けたほうがいいだろうなと。いずれはエッセイも書いてみたいし、それだったら元スポーツ新聞社の女性記者だとインパクトがあるかなと思って、就職先を決めたんです」

配属は野球担当。

「高校までは女子校に通っていたので野球部もなかったし、興味もなかったのでルールも知らない。しかも夕刊紙だったので、前日の試合結果を載せるのではなく、ゴシップを取ってこなければいけなかったんです。もちろん新しいことを学ぶ楽しさはあったんですけど、知識が追い付いていなかったので裏話を書くこともできずに、死ぬほど辛かったです」

自分は何の役にも立ってないのではないかという自己嫌悪に陥った。野球への情熱がないので選手にも申し訳なかった。

「選手に名前は覚えてもらえましたけど、色目を使われることもありました。知識がない分、取材では愛想を良くしようと心がけていたんですけど、そうすると人によっては媚を売っているように見えるみたいなんですよね。『ニコニコ取材している姿がイラっとくる』とハッキリ言ってくる男性記者もいました。いつ辞めようかと、いつも思い悩んでいましたね。結局、入社から1年が経って、一面の記事を書かせてもらえるようになったところで辞めました」

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