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UPDATE|2020/11/01

澁谷果歩がAVの世界で4年間暮らして考えたこと「『出たら人生おしまい』ってイメージを変えたかった」

澁谷果歩 撮影/松山勇樹


引退を決断した1番の理由は、仕事のマンネリ化だった。

「私はメーカーにしても内容にしても、自分では希望を言わずに事務所任せでした。AV女優になった時点で、好奇心を満たすために、いろんなことをやろうってスタンスでしたからね。でも後半は似たような内容ばかりでルーティン化してきたんですよ。それだと会社勤めと変わらないなと。良くも悪くもお仕事って感じでやっていて,新しく学ぶこともないかなと思って引退を決意したんです」

引退後も、しばらくは現役のAV女優と一緒にネット番組のバラエティやAVイベントに出演していた。また海外からのオファーでヌードグラビアもやっていた。しかし引退後もAV出演のオファーがあったことで一区切りをつける決心をする。

「いつまでもカムバックのオファーが来る状況だと引退した意味がないですからね。執筆のお仕事もいただいていましたし、経済的に困っていたわけでもないので、引退して1年でキリよく裸やAV絡みの仕事は辞めました。何より元AV女優として、他の人がやってないことで成功したいなって気持ちが強かったんです。そうすることで『AVに出たら人生おしまい』ってイメージを変えたかったんですよね。だったらAV女優だったことを隠すのはやめようと。でも、“あの人は今?”みたいな、AVをやっていた頃が一番輝いていたってことにはしたくない。どんな形であれ、『澁谷果歩って昔はAV女優をやっていたらしいよ』って言われるような存在にならないといけないなと思ったんです」

引退後はSNSで本格的なコスプレ動画を発信しているうちに、海外からも注目されるようになり、コスプレイヤーとして海外のアニメイベントにも呼ばれるようになった。

「海外のアニメイベントに行くと、知ってくださっている方が多くて、改めて日本のオタク文化はすごいなと感じました。今は女優時代とは逆に服を着るようになりましたけど、それが新しいお仕事にも繋がって。趣味と実益が上手くマッチしていますね」


▽『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』
出版社:サイゾー
定価:1,650円
誰も教えてくれないAVの本当を、AV女優が客観的に書いた、澁谷果歩、初の著書。『週刊新潮』で吉田豪が 「AVの暴露本でもなければ、イメージアップのための嘘だらけの本でもない。驚くほど客観的で、なおかつ"デリケートゾーン"にも相当踏み込んでいる画期的な一冊。」と評するなど、メディアにも多数取り上げられ話題を呼んでいる。
AUTHOR

猪口 貴裕


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