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UPDATE|2020/12/06

立憲民主党幹事長・福山哲郎議員に聞く、菅総理の印象「敬意を表しエールを送りたい、けれど…」

左から井上咲楽、福山哲郎 撮影/松山勇樹



福山 官邸の危機管理センターです。菅直人首相が福島に入ったのは震災翌日の朝で、戻ってきたときの報告をまとめたメモにはこうあります。「ほとんど津波でやられている。食料、水、トイレがいる。原発は全体として良くない。根源的な問題だ」と。僕はこのノートをもとに『原発危機 官邸からの証言』という本にまとめましたが、東京電力からも当時の経産省からも、誰からも訴えられていませんし、事実と違うというクレームは1つもきてないんですよ。

井上 記録は大事ですし、手書きってやっぱり迫力がすごいですね。

福山 また当時、野党だった自民党と公明党とのやりとりは今にもつながっています。毎週、政府野党連絡協議会を開き、僕は政府側の官房副長官として、自民党からは石破茂さん、公明党からは斉藤鉄夫さんのお2人が要望を持ってこられて、それを各省庁に「こういう問題提起があるから、答えを戻してくれ」とやりとりしていました。その経験があるから、今回、コロナの対策についても自民党の二階俊博幹事長に「政府と野党の連絡協議会を作ってコロナの対策について、我々の要望を聞く場面を作ってください」と申し入れました。すると、二階さんは「それはそうだ」と言って舞台ができ、補正予算の議論を政府与野党で協議する状況になっていったんですね。

井上 そんな経緯があったんですね。

福山 野党への批判として、「何にでも反対ばかりだ」ということが言われます。しかし、きちんと対案を出したり、柔軟な対応をしても、メディアが「野党がこんな対案を出しました。いいですね、応援しましょう」と報じてくれるかと言えば、絶対そんなことは書いてくれないんですよね。対案を出したら知らん顔で、出さないと「出せ」と言われる。だからこそ、野党はポケットの中にいつも対案を持っていなきゃいけないし、コロナ対策で言えば、現場の話を聞いて一生懸命、与党に申し入れをしていきました。

井上 その結果が、政府与野党連絡協議会なんですね。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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