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UPDATE|2020/12/06

福山哲郎議員が語る、3年間の浪人時代が教えてくれたもの「やっぱり現場に立ち続けることが大事」

左から井上咲楽、福山哲郎 撮影/松山勇樹

『月刊エンタメ』に連載中の「井上咲楽の政治家対談」、今回は立憲民主党幹事長を務め、外務副大臣や内閣官房副長官などを歴任してきた福山哲郎議員が登場。現在の議員生活にも活きる落選時代の経験とは。 ※取材は10月12日に行いました

【写真】福山議員が取材後にプレゼントしてくれた自身のキャラクター「テツロー」をあしらったグッズ

福山 僕は初めての選挙(96年の衆議院選挙に旧民主党公認で出馬)のとき、負けているんですよ。そこから3年間の浪人時代が続き、その間、本当に支援してくださる方々の愛情、頑張れよという気持ちがありがたかったのを覚えています。政治家にとって落選の経験は、非常に大きな財産になると思います。

井上 つらいなあ……というお気持ちは?

福山 それは、かなりつらいですよ。だってね、次の選挙で勝てると決まっているわけではないですから。僕なんか貧乏でしたから、地盤も看板も鞄もない状態。本当にマイク1本持って、街中に立ち、政治活動を始め、事務所は借りもの、電話とFAX、移動の車はもらいもの、本当に何もありませんでした。そんな状態のスタートで、1日に1人でも事務所に支援者の方が来てくださったら、うれしいな。そんな目標を持ちながら、街頭演説をしていました。

井上 そうなんですね。

福山 もちろん、最初は誰も聞いてくれません。でも、毎日続けていると、だんだんね。たとえば、朝の通勤の前に電柱の陰に立ち、聞いてくれる人が現れたり、バス停でバスを待っている人たちの中で、ちょっと目で合図をしてくれる人がいたり。1年くらいたったある日には、タクシーがばっと目の前で止まり、なんだろう? 怒られるのかな……と思ったら、運転手さんが「おまえ、いつも頑張ってんな」と握手とともに500円玉を握りしめさせてくれて。そうかと思えば、夕方の街頭演説中に自転車に乗ったおばちゃんが、「今買ってきたんやで」とスーパーの惣菜を差し入れしてくれて、「頑張りやー」と。

井上 優しいですね。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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