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UPDATE|2021/01/02

美人書店員・河北栞歩が「どうしても食べたいカツサンド」のほっこり小説とは

河北栞歩

タレント活動をしながらも本好きが高じて書店員としての顔も持っているブックコンシェルジュ・河北栞歩さんがおすすめの一冊を紹介する連載企画。今回、ご用意したのは下町情緒あふれる商店街のパン屋を舞台にした心温まる“美味しい小説”、冬森灯著『縁結びカツサンド』(ポプラ社)です。(毎週土曜日更新)

【写真】美人すぎる書店員・河北栞歩がおススメするのはこの1冊

▽あらすじ
駒込駅うらら商店街の中ほどに佇む「ベーカリー・コテン」は、昔ながらの気取らないパン屋。その三代目の音羽和久は『じぶんのパン』も見つからないままに、あんぱんひとつから初めた祖父の代から続くこの店を継ぐべきか悩んでいた。昨年、祖父を亡くして「コテン」の由来も分からないまま、お客さんとも目を合わせられずに営業していた。そんな彼が、同じくいろんな悩みごとを抱える常連さん達と共に考え、悩み、寄り添ってパンを作っていく。4つのパンが背中を押す、おいしくて、頑張っている人の胃袋と心を満たす、ベーカリーのお話。

     ※     ※     ※

1章ずつ読み進めていくにつれて心も満たされていく感覚が堪らなかったのですが、何よりも作中の文章の表現や目の付け所がとても素敵でした!

「飴色になった木の床がその周りだけ白っぽく削れているのは、長い間お客さん達に愛されてきた証拠だろう。」(p.23より)

「ベーカリー・コテン」が昔から愛されてきたことを床の削れ具合で表現しているのですが、これぞ昔ながらの商店街のパン屋さんだなって。所々温かみを感じる文章が多くて終始穏やかな気持ちで読み進めました。

三代目も自分のパン屋さんとしての未来に悩むのですが、まずは目の前のお客さんと向き合っていく、自信はないけど優しい青年です。

お客さんも同じく日々悩むのですが、一緒に寄り添おうとする三代目のパンが双方の成長を象徴していて、それらが章ごとのタイトルからも伺えてほっこりします。

主人公の成長だけにフォーカスするのではなく、お客さんも共に歩んでいく過程に感動と縁の面白さを教えていただきました。

▽かわきた・しほ
1994年生まれ、26歳。慶應義塾大学卒。タレント、書店員。
Twitter:@shiho_kawakita
Instagram:shiho_kawakita
Tiktok:@shihokawakita
CREDIT

文/河北栞歩 撮影/佐々木和隆


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