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UPDATE|2021/01/09

美人書店員・河北栞歩が注目の作家、青山美智子デビュー作『木曜日にはココアを』

河北栞歩

何か本を読みたいけれど、何を手に取ればいいかわからない……そんなアナタに、本が好きすぎるあまり、タレント活動の傍ら書店員としての顔を持つ河北栞歩がオススメ小説を紹介。今回は河北さんがいま、最も注目する作家・青山美智子のデビュー作『木曜日にはココアを』(宝島社)をお届け。(毎週土曜日更新)

【写真】美人すぎる書店員・河北栞歩がおススメするのはこの1冊

▽あらすじ
毎週木曜日の午後5時に「ココアさん」はマーブルカフェに来る。決まっていつもホットココアを注文して、万年筆を使い、いつもの席で英語の手紙を書く。「僕」は名前を知らない彼女に恋をしている。マーブルカフェの若い店主とマーブルカフェに訪れる人々の日常、更にその人達に関わった人々の繋がりが徐々に形になっていく。子供の為に卵焼きを初めて焼いたり、職場にピンクのネイルをして怒られたり、小さなサンドイッチ屋さんがいつも通りオレンジ色だったり、そんな日々も、知らない間に誰かに支えられているものなのかもしれない。何気なくすれ違ったその人も、もしかしたらあなたを救う何かがあるかもしれない。東京とシドニーを12色で繋ぐ、短いけどとても優しい物語。

※     ※     ※

一言、推せます! 今年読んだ作品1位2位を争うくらいに好きです。こちらは青山美智子さんのデビュー作品なのですが、彼女の世界観に魅入ってしまい先日も追加で2冊新作を買いました。読むのがとても楽しみです。とにかく1人でも多く、癒されて欲しいという想いでこちらの作品もピックアップしました。

読んでいるとぽかぽか暖かい昼過ぎの午後の陽だまりの中にいるみたいでとても心地が良いのです。短編集なのですが、どの章も彼らのなんの変哲もない日常に魅力が溢れていました。個人的に一番好きなのは「7章 カウントダウン[Green/Sydney]」です。

本当にどの章も好きなのですが、緑が好きで緑だけを描きにオーストラリアに来たけど理解されずに悩み苦しんでいる女の子の話の展開に、まるで自分が励まされたかのような錯覚に陥りました。

仕事で、学業で、人間関係で、子育てや家事で疲れてしまった時、毎日1章ずつでも救われてみませんか?

▽かわきた・しほ
1994年生まれ、26歳。慶應義塾大学卒。タレント、書店員。
Twitter:@shiho_kawakita
Instagram:shiho_kawakita
Tiktok:@shihokawakita
CREDIT

文/河北栞歩 撮影/佐々木和隆


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