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UPDATE|2020/12/24

“最大の武器”ライブができない! ももいろクローバーZがコロナ禍で考えたこと

ももいろクローバーZ

世界中で新型ウイルスが猛威をふるった激動の2020年。国民的人気グループのももいろクローバーZも、3月から6月まで、まったくステージ活動ができなくなってしまった。ももクロはこの“コロナ禍”で何を考え、どう行動していたのか? 『週刊プロレス』記者を経て、現在はももクロの“公式記者”として『ももクロ活字録』など様々な書籍を手掛けている小島和宏氏が、12月24日に書籍『ももクロの弁当と平和 』を上梓。バックステージや取材中にももクロのメンバーと交わした珠玉の言葉と共に2019年〜2020年を振り返る。

【写真】ももクロの「お弁当お持ち帰り事件」をモチーフにした『ももクロの弁当と平和 』表紙

新型コロナウイルス感染拡大によって、春先からイベントやライブの開催がどんどん難しくなっていった2020年。4月に『緊急事態宣言』が発令されると、完全にエンターテインメント業界はストップせざるを得なくなってしまったのだが、それに先立って、いち早く予定されていたイベントの中止・延期を発表したのが、ももいろクローバーZだった。

毎年、春・夏・クリスマスに大きなライブを開催してきた、ももクロ。

春は地方自治体とタッグを組んでのコンサート(今年は福島県で開催予定だった)、夏はドームクラスの大会場での大規模ライブ(今年は西武ドーム2DAYSがアナウンスされていた)、そしてクリスマスもさいたまスーパーアリーナなどの大箱で開催。これが活動の基盤となっていた。

これに加えて、メンバーの佐々木彩夏や高城れにのソロコンサートも毎年恒例となっていたが、こちらも開催が見送られた。すでにチケットを発売済みだった高城れにのソロコンサートは一旦、6月に延期されることが発表されたが、のちに2021年への再延期が決定。春の段階では、ここまでコロナ禍が長引くとは予想されておらず、3月から4月にライブを予定していたアーティストの多くがとりあえず6月に延期、という方針をとっていた。

運営サイドはあくまでも「安心・安全」を確保したうえでのライブ開催を大前提とし、6月には安全対策の指針としてMSRS(ももクロ新リアルライブ世界秩序)なるガイドラインを医療関係者の監修のもとで公開した。

ライブを開催するために、アーティストは、スタッフは、そして観客はどこまで、なにを対策すべきなのか? ということを明文化したもので、本当に細かいところまでしっかりと明記されている(状況に応じて、常に内容はアップデート中)。

こういう明確な指針が示されたことで、ファンはライブが開催されなくても納得する。

ここまで安全面を考えた上での延期や中止の決定であり、メンバーの身に危険が及ぶようであれば、ライブの開催は求めない、という考え方だ。
AUTHOR

小島 和宏


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