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UPDATE|2021/01/27

自伝的漫画『AV女優ちゃん』作者・峰なゆかが語る「女性だけでなく、男性の生きづらさにも興味がある」

峰なゆか

漫画家・峰なゆかが、AV女優として活動していた経験を基に描いた半自伝的作品『AV女優ちゃん』1巻(扶桑社)が大きな話題となっている。AV業界の内幕を描きつつ、性にまつわる男女の社会的な問題まで内包。AV業界の実態を通して、女として生きる自由と不自由を問いかける意欲作が生まれた背景について、著者の峰なゆかに話を聞いた。

【写真】峰なゆかの近影&『AV女優ちゃん』の印象的なシーン

ーー『AV女優ちゃん』は、峰さんだからこそ切り込めるAV業界の裏側から、様々な女性の生き様までが描かれていて目が離せません!

峰 『アラサーちゃん』(扶桑社)を描いているときは、「これって峰さんのことですよね?」ってよく言われたんですけど、あれはあくまでも『アラサーちゃん』というキャラクターを意識して描いていたので、私そのものではないんです。なので、今回の『AV女優ちゃん』は、もっとちゃんとしてない、わりと人生がどうでもよくなっていた頃の、私自身について描こうかなって…。

ーーAV女優になる以前の、高校生の頃のエピソードなどは衝撃的でした。いわゆるヤリマンと呼ばれる女子たちのヒエラルキーが一番高くて、不良とセックスすることがステータス、みたいな。

峰 私自身はそれが普通だと思ってんですけど、東京に出てきてから「あれ、ウチの地元がおかしいんだ」って気づきました。根性焼きはオシャレじゃないんだなって(笑)。



ーー東京に修学旅行に来たときに電車で痴漢に遭い、「性の対象にされてるという実感があって嬉しかった」というお話も…。

峰 これも実話ですね。女性の読者からは、『わかる』『今はそんなことないってわかるけど、学生の時は痴漢されることはステイタスみたいに勘違いしてしまっていた』っていう声もたくさんありました。ただ、これを読んだ男性にが「女性はみんな痴漢されて喜んでるんだ」とは絶対思ってほしくないんですよ。勘違いされてしまうのはわかってますけど、あえて多くは説明しないようにしていて。そういう短絡的な反応をする頭が悪い人に対しては、ガン無視しようって決めてます。

ーー想像力や読解力のない人は、どうしてもいますもんね。

峰 痴漢が犯罪だというは絶対悪で、されたら大変な心の傷を負うというのは大前提じゃないですか。だからといって過剰に配慮した表現をすることで、ちゃんと理解できる層が思考停止してしまうのもよくないですよね。


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