豆柴の大群は人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画内で誕生したグループだ。稀代のヒール、安田大サーカス・クロちゃんの存在もあって瞬く間にその名は全国区となったものの、番組に出なくなってからの動向については熱心なファン以外にさほど知られていないはずだ。コロナ禍においてライブ活動がままならないなど苦労も絶えなかったというが、それでも5人は着実に腕を磨いていた。知られざる“番組後”の姿に迫る──!!
(4回連載の4回目)
【写真】ビジュアルもグッと洗練されてきた豆柴の大群、メンバーのソロ撮り下ろしカット【13点】■今だから言える『クロちゃん』との関係 プロデューサーを降格してからも、アドバイザーとしてメンバーと接し続けてきたクロちゃん。現在の5人にとってクロちゃんの存在とは?ナオ クロちゃんのアドバイスってすごく細かいんですよ。しかも広範囲に渡っているんです。トークはもちろんだけど、歌やダンスについても突っ込んだ話をしてきますし。
──専門家でもないのにパフォーマンスについて口出しするんですか?ハナエ ところが、それがすごく的確なんですよ。たしかに経験者ではないかもしれないけど、アイドルを見てきた数が半端じゃないですから。さすがだなって思うことばかりなんです。たとえば「歌っているときの表情を曲の歌詞に合わせたほうがいい」とか「もっと自信を持つようにしないとダメだ」とか……。
アイカ 私は「もっとアクセントをつけて。強弱が足りない」ってダメ出しされたことがありますね。リアルな話、めちゃくちゃありがたい存在ですよ。私たちも「なるほどな」って素直に聞いていますし。
ハナエ あと私たちが苦手なトークに関しては、やっぱりクロちゃんってプロじゃないですか。アドバイスのレベルがすごく高いんです。よく言われるのは、もっと自分のことを利用してくれってこと。たしかにメディアの人たちってクロちゃんのことを聞きたがるから、すごくありがたいことではあるんですけど。
ナオ 最初のうち、私たちもすごくクロちゃんに遠慮していたんです。だって考えてもみてくださいよ。デビュー前の私たちからしたら芸能界の大先輩だし、決定権を持つプロデューサーなわけですから。そんな人に対して失礼な態度はさすがに取れないですって。ましてや冷たく突き放すなんて無理ですよ。
ミユキ 実際、『水ダウ』の放送中は「相手は腐ってもプロデューサー。その態度は失礼すぎるだろ!」とか炎上していたしね(笑)。
ナオ 私たちの本音としては「新しいグループを作っていただき本当にありがとうございます」「ご期待に添えるように全力で頑張りたいと思います」ってリスペクトの気持ちが強かったんです。だけど、それだけじゃダメだって言うんですよね。もともとクロちゃんってヘイトを集める天才じゃないですか。
ハナエ そのへんはさすがにテレビの世界を知り尽くしたプロだなって(笑)。「僕が追いかけたら、ちゃんと逃げてよ。嫌そうな表情も忘れずに」とか言ってくるんです。
カエデ 以前、「カエデの手汗が染みたおにぎりが食べたいしん!」とかいうLINEが送られてきたことがあるんです。つまりそれって気持ち悪いエピソードを自分でわざわざ作ってくれているんですよね。というのもそれからちょっとして本人に会ったとき、「あのおにぎりのエピソード、テレビとかで言っちゃっていいからね」って囁かれたんです。
アイカ 言いそうだな~(笑)。
ナオ たしかにメディアの人たちって「最近、クロちゃんから受けた気持ち悪いエピソードってありますか?」とか聞きたがるんです。でも最初のうちは急にそんなこと言われても「何かあったっけ!?」ってうろたえるばかりで。そのへんを察したクロちゃんが、親切心からパスを回してくれるようになったんです。
ハナエ これはある意味でクロちゃんに対する職業妨害になるのかもだけど、私たちがクロちゃんのことを普段からありがたく思っているのは本当ですから。