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UPDATE|2021/01/29

新型コロナから復帰、Mリーグ・丸山奏子の麻雀シンデレラストーリー「1年目はメンタルがボロボロで…」

撮影/松山勇樹

昨年10月の今季開幕戦は100万視聴を突破し、盛り上がりが過熱する麻雀プロリーグ「Mリーグ」。そこで2年に満たないプロ歴でありながら、リーグ初年度の優勝チーム・赤坂ドリブンズにドラフトで指名され、歴戦の猛者たちと闘っているのが丸山奏子プロだ。年明け早々に、Mリーガーでは初めて新型コロナウイルスに感染、休場を余儀なくされたがようやく復帰。小柄で愛くるしいルックスと、対局時の真剣な表情のギャップからファンもどんどん増えている彼女は、いかにしてただの麻雀好きから「シンデレラガール」になったのか――。(2回連載の2回目)

【写真】小柄で愛くるしいルックスも人気に、丸山プロの撮り下ろしカット【11点】

※インタビュー(1)丸山奏子の麻雀シンデレラストーリー「就職先も麻雀で見つけました」はこちらから。

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――努力の甲斐あって見事に合格。働きながらプロのリーグ戦で対局するようになるわけですが、当時の麻雀プロとしての収入は?

丸山 ほぼなかったですね。たまに雀荘のゲストや、放送対局の仕事はあって、1年目の新人女流プロにしては十分仕事をいただけていた方だと思いますけど、会費を払う必要もあるしそれだけで生活できるものではなかったです。フルタイムで仕事して麻雀関係の仕事を増やすことも難しかったので、「これを仕事にしていくのは無理だな」と当時は思っていました。

――そうしていたら、なぜか麻雀業界の最高峰のMリーグでドラフト指名された、と。丸山さんのプロ試験での受け答えを、ドリブンズの先輩の園田賢プロが評価して、チームに推薦したという話は有名です。

丸山 当時、園田さんは酔っぱらうたびにその話をしていて、「ハードルが上がっちゃうからやめてよ~」と思っていました(笑)。でもトントン拍子で物事がうまくいきすぎていて、「私死ぬのかな?」って思いました(笑)。プロになれて、放送されるような対局にも呼んでいただけただけでもすごいのに、こんなにいいことが続いていいのか? っていう感覚ですね。

――Mリーグのデビュー戦では、リーグ初年度の個人成績トップ3のプロ3人を相手に、最終局で大逆転する劇的な勝利を収めました。Mリーグファンの間でも大きく話題になりましたね。

丸山 ありがとうございます。でもあれは見え方が良すぎたというか。自分の実力に対して過剰にドラマチックになってしまった気がしていました。初トップはうれしかったけど、勝ったことが逆にプレッシャーになって。

――それは意外です。

丸山 開幕前はウキウキして、いい事ばっかり想像していたけど、実際にやっていくに連れて、自分は他のプロに比べて明らかにレベルが低いと実感してしまうことも多かったです。19年はチームとしてマイナスが先行していて、先輩たちとの関係も今くらい出来上がっているわけじゃなかったので、「自分がお荷物になってるんじゃないか」ってどんどん不安になっていくんですよ。苦しいし、きつかったです。

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