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UPDATE|2021/01/29

新型コロナから復帰、Mリーグ・丸山奏子の麻雀シンデレラストーリー「1年目はメンタルがボロボロで…」

撮影/松山勇樹


――あんなに楽しかった麻雀を楽しめなくなった?

丸山 そうですね。「他に出るべき選手がいるからドラフトを辞退しろ」っていうリプもいただいたりしていたので、「もっとちゃんと麻雀を打てなきゃいけない」って思い過ぎていたと思います。それで実力が追い付いていないから自分にがっかりする、みたいなことの繰り返しでした。一番ひどいときは、対戦相手に対して「リーチって言ってほしい」って思ってました。そうすれば、降りられるから(降りる=相手のあがり牌を打たないように、自分の手を崩して回避すること)。ヤバくないですか? あがりを目指すゲームなのに「やった、降りれる」なんて。

――どうやってメンタルを立て直したんですか?

丸山 チームメイトの村上淳プロが、私を控室から試合会場に送り出すときに「楽しんで」って声をかけてくれたのが、自分的にはすごく大きかったです。まずは楽しもう、って。そしてできないことをすぐできるようになろうと思わず、ちょっとずつできることを増やしていこう、って切り替えたら、リーグ戦の後半ぐらいでようやく、試合中に逃げ出したくなるようなことはなくなりました。あとは、シーズン終了後に自分のリーグ戦やセットを打ったりしていくうちに、以前よりも成長できている実感があって、前向きになれたかな。いまは毎回「勝とう!」と思って試合に臨むことが出来ていると思います。

――それは何よりです。

丸山 1年間、ドリブンズの先輩たちと勉強してきて感じたのは、3人とも強いけど、3人の選択や意見が合わないこともよくあるんです。麻雀にはこれだけが正解、っていうのはなくて、0か100かで測れるものじゃないんだな、って。だから、自分の選択がマジョリティじゃなくて、「それはあり得ない」っていう意見をいただいたとしても、私は私の意図をもってあえてこうしている、という事もあるので、「絶対にこうしなきゃいけない」っていうのをまず自分の中から消そうと思っています。

それに、「これをこういう風に打っておけば怒られないだろう」という、見栄えが悪くない、無難な選択は選びたくないな、っていう思いもあって。無難っていうのは思考を止めるのに似ているというか。私の選択が30点なこともあるだろうけど、それにおびえずにどんどん考えて、その時いいと思った麻雀を打っていきたいと思ってやっています。Mリーグというすごいステージに立たせていただいていて、それは本当にありがたいことですけど、いまはまだ自分が強くなるための過程の段階だから、これからもっともっと強くなる、自分が満足できる麻雀を打つために必死で頑張っていきたいです。

丸山奏子 まるやま・かなこ
Mリーグ・赤坂ドリブンズ/最高位選日本プロ麻雀協会所属、北海道出身。
Twitter:@pinpin_maruko
(インタビューは2020年12月25日に行いました)

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