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UPDATE|2021/02/21

タブレット純がムードコーラスに魅せられた人生を語る「幼少期から変わり者だという自覚はあった」

タブレット純 撮影/山上徳幸



「心残りがあるとすれば、和田さんにきちんと感謝の気持ちを伝えられなかったなということ。当時は本当に酒浸りで、ステージに上がるときはもちろん、普段から常に酩酊しているような状態。平気で失禁とかもしていましたしね。そんな調子だから、まったく恩返しができなかったなって……」

計画通りに進んだことなど何ひとつない。すべてが行き当たりばったりだと自身の半生を総括するタブレット純。そんな彼に将来の目標を尋ねると、「どうなんだろうな……」としばらく考え込んだ。

「“売れたい!”みたいな気持ちは一切ないんです。むしろ売れていいことなんて1個もないですよ。お酒だってやめたくないし、今の生活を変えたくないですから。それでもあえて目標を挙げるとしたら、ムードコーラスやGSをはじめ、自分が好きだったジャンルの人にお会いしたいという気持ちはありますね。だから今回『タブレット純のムードコーラス聖地純礼』という本を出せたのも自分にとってはすごく大きなことなんです。おかげさまで最近はお笑いや歌手活動のほかに文章を書かせていただく機会も増えてきました。書くことはすごくやりがいを感じるので、そこは今後も力を入れていきたいなと考えています」

どこまでも自然体で、好きなことだけを追求していく。そんな生き方が許されるのは、誰からも愛される人柄と確かな実力があるからこそ。タブレット純のゆらりゆらりとした歩みは今後もマイペースに続いていく。

【前編はこちら】タブレット純が語るムードコーラスの深遠なる世界「戦後の騒乱期の芸能界はハチャメチャだった」

AUTHOR

小野田 衛


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